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糖尿病は完治する?寛解との違いや生活習慣でのポイントを解説

2026.08.31

「糖尿病は完治する病気なのか知りたい」

「食事・運動・薬物療法で糖尿病をどこまで改善できるのか知りたい」

糖尿病の方のなかには、そもそも糖尿病は完治するものなのか気になっている方もいるのではないでしょうか。

糖尿病は、一般的に完全に治る「完治」を目指す病気ではありません。ただし、2型糖尿病では食事療法や運動療法、体重管理などによって血糖値が改善し、薬を使用せず良好な状態を維持できる「寛解」に至る場合があります。

本記事では、糖尿病の完治と寛解の違いや、糖尿病を上手に管理するポイントを解説します。

食事や運動の効果を最大化するためのポイントも紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。

糖尿病は完治する?

糖尿病は、現在の医学では一般的に完治が難しい病気です。特に1型糖尿病ではインスリン分泌が低下しているため、生涯にわたる治療が必要になることが多くあります。

一方、2型糖尿病では生活習慣の改善や治療によって血糖状態が大きく改善する場合があります。

適切な食事療法や運動療法、必要に応じた薬物療法を継続すると、血糖値を正常に近い状態で維持できる可能性があるのです。

糖尿病は、治すのではなく上手に付き合うのが大切な病気です。合併症を予防しながら健康な生活を送るためにも、医師の指導のもとで継続的な治療をおこないましょう。

糖尿病の完治と寛解の違い

完治とは、病気の原因がなくなり、治療を必要としない状態を指します。一方、寛解とは症状や検査値が改善し、治療を必要としない、または最小限の治療で良好な状態を維持できている状態を指します。

とくに2型糖尿病では、食事療法や運動療法、減量などで血糖値が改善し、寛解に至る場合があります。しかし、生活習慣が乱れると再び血糖値が上昇する可能性があるため、完全に治ったわけではありません。

そのため、糖尿病治療では完治を目指すのではなく、寛解や良好な血糖コントロールを維持するのが重要です。定期的な検査や生活習慣の管理を継続し、合併症を予防しながら健康な状態を保ちましょう。

糖尿病の症状に改善が見られる人がおこなっていること

糖尿病の症状に改善が見られる人には、治療を継続しながら生活習慣の改善に積極的に取り組んでいるという共通点があります。

とくに、以下のような取り組みは、血糖コントロールの改善や合併症予防につながります。

  • 医師の指示どおりに薬を服用している
  • 定期的に通院し、検査結果を確認している
  • 栄養バランスを意識した食事を続けている
  • 食べ過ぎや間食を控えている
  • ウォーキングや筋力トレーニングなどの運動を習慣化している
  • 適正体重の維持に取り組んでいる
  • 十分な睡眠を確保している
  • 禁煙や節酒を心がけている

糖尿病の改善には特別な方法よりも、毎日の生活習慣を継続的に見直すことが大切です。短期間で結果を求めるのではなく、無理のない範囲で治療とセルフケアを続けることが症状改善につながります。

健診で血糖値やHbA1cの異常を指摘されたらどうする?

健康診断で血糖値やHbA1cの異常を指摘された場合は、そのまま放置せず医療機関を受診することが大切です。

以下では、健診で異常を指摘された際に知っておきたいポイントや適切な対応を解説します。

  • 糖尿病は初期に自覚症状が少ないことがある
  • 健診1回の血糖値やHbA1cだけで糖尿病と自己診断しない
  • 健診結果を持参して内科で状態を確認する

ひとつずつ見ていきましょう。

糖尿病は初期に自覚症状が少ないことがある

糖尿病は初期の段階では自覚症状がほとんど現れないことがあります。そのため、「症状がないから大丈夫」と自己判断で放置する方も少なくありません。

しかし、血糖値が高い状態が続くと、気づかないうちに血管や神経へのダメージが進行するリスクがあります。健康診断で異常を指摘された場合は、症状の有無にかかわらず早めに対応することが重要です。

健診1回の血糖値やHbA1cだけで糖尿病と自己診断しない

健診で基準値を超えていたとしても、1回の検査結果だけで糖尿病と断定できるわけではありません。血糖値やHbA1cの数値は、検査前の食事内容や体調、ストレスなどが影響する場合があります。

健診結果だけで自己判断せず、医療機関で診察や追加検査を受けて状態を確認しましょう。

健診結果を持参して内科で状態を確認する

血糖値やHbA1cの異常を指摘された場合は、健診結果を持参して内科を受診しましょう。

医師は健診結果だけでなく、過去の病歴や生活習慣、追加検査の結果などを総合的に評価して診断をおこないます。早期に受診することで、糖尿病でなかった場合は安心でき、糖尿病や糖尿病予備群と診断された場合は適切な治療や生活習慣改善を早く始められます。

将来の合併症リスクを減らすためにも、異常を指摘されたら放置せず医療機関へ相談することが大切です。

関連記事:糖尿病かもと思ったらどうする?初期症状や何科を受診すべきかなど解説

糖尿病の食事療法で意識したいポイント

糖尿病の治療では、血糖値を安定させるために食事療法が重要です。ただし、極端な食事制限をおこなう必要はありません。

以下では、糖尿病の食事療法で意識したいポイントを解説します。

  • 自分に合った食事量と栄養バランスを意識する
  • 食べ方や間食の習慣を見直す
  • 特定の食品だけに頼らず継続できる食事を目指す

ひとつずつ見ていきましょう。

自分に合った食事量と栄養バランスを意識する

糖尿病の食事療法では、必要以上に食べ過ぎないことが大切です。年齢や性別、体格、活動量によって適切な摂取エネルギー量は異なるため、自分に合った食事量を把握しましょう。

また、炭水化物だけに偏らず、主食・主菜・副菜を組み合わせて栄養バランスを整えることも重要です。野菜やきのこ類、海藻類などを積極的に取り入れることで、食物繊維を補いやすくなります。

食べ方や間食の習慣を見直す

同じ内容の食事でも、食べかたによって血糖値の変動が異なる場合があります。早食いを避けてよく噛んで食べることや、欠食せず規則正しく食事をとることを意識しましょう。

また、甘いお菓子や清涼飲料水を頻繁に摂取すると、血糖値が上昇しやすくなります。間食をする場合は、量に注意しながら、糖質量や栄養バランスを考えて選ぶことが大切です。

特定の食品だけに頼らず継続できる食事を目指す

糖尿病の改善を目的として、特定の食品や健康食品に頼ろうとする方もいますが、特定の食品だけで糖尿病を改善することはできません。

大切なのは、栄養バランスの取れた食事を継続することです。無理な制限や偏った食事は長続きしにくいため、日常生活に取り入れやすい方法を選んでください。

医師や管理栄養士の指導を受けながら、自分に合った食事習慣を続けることが血糖コントロールにつながります。

関連記事:糖尿病と食事の関係とは?食事療法の原則や注意すべきポイントを解説

糖尿病の運動療法で意識したいポイント

運動療法は、食事療法と並んで糖尿病を治療する方法のひとつです。ただし、無理な運動を急に始めるのではなく、自分の体力や健康状態に合わせて継続することが大切です。

以下では、糖尿病の運動療法で意識したいポイントを解説します。

  • 無理なく続けられる運動を取り入れる
  • 運動を習慣化する工夫をする
  • 体調や合併症によっては運動前に医師へ相談する

ひとつずつ見ていきましょう。

無理なく続けられる運動を取り入れる

糖尿病の運動療法では、継続しやすい運動を選ぶことが重要です。短期間だけ激しい運動をおこなうよりも、適度な運動を長く続けるほうが血糖コントロールにつながります。

たとえば、以下のような有酸素運動は日常生活に取り入れやすいでしょう。

  • ウォーキング
  • 軽いジョギング
  • サイクリング
  • 水中運動

また、スクワットやかかとの上げ下げなどの筋力トレーニングを組み合わせることで、血糖コントロールの改善につながる場合があります。

運動を習慣化する工夫をする

運動の効果を得るためには、継続することが欠かせません。しかし、忙しさを理由に運動が続かない方も少なくありません。そのため、以下のように日常生活のなかで体を動かす機会を増やしましょう。

  • エレベーターではなく階段を使う
  • 一駅分歩く
  • 買い物の際に少し遠回りをする

また、決まった時間に運動する習慣をつけると継続しやすくなります。

体調や合併症によっては運動前に医師へ相談する

糖尿病の改善で運動療法をおこなう際は、事前に医師へ相談してください。

運動は糖尿病の改善に役立ちますが、すべての人に同じ運動が適しているわけではありません。糖尿病の合併症が進行している場合や、心疾患・腎疾患などを併発している場合は、運動内容に注意が必要です。

また、体調が優れないときや血糖値の状態によっては、運動が適さないこともあります。

安全に運動療法を続けるためにも、運動を始める前や運動内容を変更する際は、医師へ相談するようにしましょう。

関連記事:糖尿病に効く運動とは?有酸素運動・筋力トレーニング・ながら運動やストレッチまで紹介

糖尿病の薬は一生続ける?薬物療法の考え方

糖尿病と診断されると、「薬は一生飲み続けなければならないのだろうか」と不安に感じる方もいるでしょう。しかし、薬物療法の内容や期間は、糖尿病の種類や進行度、血糖コントロールの状態によって異なります。以下では、糖尿病における薬物療法の考えかたを解説します。

  • 薬の種類や必要性は状態によって異なる
  • インスリン治療が必要になる場合もある
  • 自己判断で薬を減らしたり中止したりしない

ひとつずつ見ていきましょう。

薬の種類や必要性は状態によって異なる

糖尿病の治療薬には、インスリンの分泌を促す薬や、インスリンを効きやすくする薬、余分な糖を尿として排出しやすくする薬など、さまざまな種類があります。

必要な薬は患者さんごとに異なり、血糖値やHbA1c、年齢、合併症の有無などを総合的に考慮して選択されます。

また、食事療法や運動療法によって血糖コントロールが改善した場合には、薬の量が減ったり、種類が変更されたりすることもあるのです。

インスリン治療が必要になる場合もある

糖尿病の状態によっては、インスリン治療が必要になることがあります。とくに1型糖尿病では、体内で十分なインスリンを作れないため、インスリン投与が欠かせません。

また、2型糖尿病でも以下のケースに当てはまる場合は、インスリン治療がおこなわれることがあります。

  • 血糖値が著しく高い場合
  • 経口薬だけでは十分な効果が得られない場合
  • 手術や感染症などで一時的に血糖管理が必要な場

インスリン治療は重症だから始めるというわけではなく、血糖値を適切に管理するための治療法のひとつです。

自己判断で薬を減らしたり中止したりしない

血糖値が改善したからといって、自己判断で薬を減らしたり中止したりするのは避けましょう。一時的に数値が良くなっていても、治療を中断することで再び血糖値が上昇するおそれがあります。

また、自覚症状がなくても高血糖の状態が続くと、網膜症や腎症、神経障害などの合併症が進行するおそれがあります。薬の調整が必要な場合は必ず医師に相談し、指示に従って治療を進めることが大切です。

糖尿病を放置すると起こり得る合併症

糖尿病は、血糖値が高い状態が続くことで全身の血管や神経に負担をかける病気です。初期には自覚症状が少ないこともありますが、治療を受けずに放置するとさまざまな合併症を引き起こす可能性があります。

以下では、糖尿病を放置すると起こり得る合併症を紹介します。

  • 神経・目・腎臓に合併症が起こる場合がある
  • 心筋梗塞や脳卒中などのリスクにも注意する

ひとつずつ見ていきましょう。

神経・目・腎臓に合併症が起こる場合がある

糖尿病の代表的な合併症として糖尿病の三大合併症が挙げられます。

糖尿病の三大合併症は、以下の3つです。

  • 糖尿病神経障害:手足のしびれや感覚の低下が起こる
  • 糖尿病網膜症:視力低下や失明につながるおそれがある
  • 糖尿病腎症:人工透析が必要になる場合がある

これらの合併症は初期には症状が少ないこともあるため、定期的な検査が重要です。

心筋梗塞や脳卒中などのリスクにも注意する

糖尿病は細い血管だけでなく太い血管にも影響をおよぼすため、動脈硬化が進行しやすくなり、心筋梗塞や脳卒中などのリスクが高まります。

また、足の血流が悪くなることで足潰瘍や壊疽を引き起こすことも。

糖尿病の合併症は生活の質を大きく低下させるリスクがあるため、血糖値だけでなく血圧やコレステロールの管理にも取り組むことが大切です。

関連記事:糖尿病のステージ別の症状|起こり得る合併症とそのサイン

糖尿病を上手にコントロールするコツ

糖尿病は、治療を継続しながら血糖値を適切に管理することが重要です。以下では、糖尿病を上手にコントロールするためのポイントを紹介します。

  • 定期的に通院して血糖状態を確認する
  • 治療を自己判断で中断しない
  • 仕事や生活に合わせて無理なく続けられる方法を相談する

ひとつずつ見ていきましょう。

定期的に通院して血糖状態を確認する

糖尿病の管理では、定期的な通院が欠かせません。血糖値やHbA1cの変化を確認することで、治療の効果や現在の状態を把握できます。

また、合併症の有無を早期に発見するためにも定期検査は重要です。

糖尿病は自覚症状がなくても病状が進行していることがあるため、医師の指示に従って継続的に受診しましょう。

治療を自己判断で中断しない

血糖値が改善したからといって、自己判断で通院や服薬をやめるのは避けましょう。一時的に数値が良好でも、治療を中断すると再び血糖値が上昇する可能性があります。

治療内容の変更や薬の調整が必要な場合は、必ず医師に相談して判断してもらってください。

仕事や生活に合わせて無理なく続けられる方法を相談する

糖尿病治療は長期間にわたることが多いため、無理なく続けられる方法を見つけることが大切です。仕事が忙しく運動時間を確保しにくい方や、外食が多い方でも、生活スタイルに合わせた改善方法を取り入れられます。

たとえば、通勤時に歩く時間を増やしたり、外食時のメニュー選びを工夫したりするだけでも血糖管理に役立ちます。医師や管理栄養士に相談しながら、自分に合った治療方法を継続しましょう。

まとめ

糖尿病は一般的に完治が難しい病気ですが、適切な治療と生活習慣の改善によって血糖値を良好に管理し、健康的な生活を続けることは十分に可能です。食事療法や運動療法、薬物療法を継続しながら、定期的に血糖状態を確認することが重要になります。

また、糖尿病は初期の段階では自覚症状が少ないこともあるため、健康診断で血糖値やHbA1cの異常を指摘された場合は早めに医療機関を受診しましょう。将来の合併症を予防するためにも、自己判断で治療を中断せず、医師と相談しながら無理なく続けられる治療を継続することが大切です。

糖尿病の血糖管理や治療について不安がある方は、れいめいクリニック浅草橋へご相談ください。

このコラムの監修者

頴川 博芸(エガワ ヒロキ)

頴川 博芸(エガワ ヒロキ)

れいめいクリニック浅草橋

経歴

  • 2016年東海大学医学部医学科 卒業
  • 2016年順天堂大学医学部附属静岡病院 臨床研修医室
  • 2017年順天堂大学大学院医学研究科医学専攻
    (博士課程) 入学
  • 2018年順天堂大学医学部附属順天堂医院 消化器・
    低侵襲外科
  • 2021年順天堂大学大学院医学研究科医学専攻
    (博士課程) 修了
  • 2021年越谷市立病院 外科
  • 2022年順天堂大学医学部附属練馬病院 総合外科・
    消化器外科
  • 2023年順天堂大学医学部附属順天堂医院 食道・胃外科
  • 2024年浅草橋西口クリニックMo院長就任

ストテキス

  • 日本専門医機構認定 外科専門医
  • 日本医師会認定産業医
  • 日本医師会認定健康スポーツ医
  • 日本旅行医学会 認定医
  • 東京都認知症サポート医
  • 日本消化器病学会
  • 日本消化器内視鏡学会
  • 日本温泉気候物理医学会
  • 日本腹部救急医学会
  • 日本大腸肛門病学会
  • 順天堂大学医学部附属順天堂医院 食道・胃外科 非常勤医師
  • 難病指定医
  • 小児慢性特定疾病指定医

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