
「糖尿病のステージ別の症状とは?」「糖尿病の主な症状はある?」「糖尿病を悪化させない方法が知りたい」と思っていませんか?
糖尿病のステージ別の症状は、「予備群(境界型)」「初期」「進行期」「重症期」の4段階に分けて、進行度別に説明されることが一般的です。
この記事では、糖尿病のステージ別の症状について、ステージ別の主な症状と体の変化まで紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
1.糖尿病におけるステージとは

まずは、糖尿病におけるステージについて、以下の内容をもとに解説していきます。
- 糖尿病とは
- 糖尿病の「ステージ」について
- 糖尿病は治せるのか
それぞれ見ていきましょう。
1-1.糖尿病とは
糖尿病とは、糖尿病とは、血糖(血液中のブドウ糖)の濃度が慢性的に高くなる病気です。インスリンというホルモンの分泌不足や作用の低下が原因で、血糖の調節がうまくいかなくなる状態を指します。
糖尿病は、一般的に空腹時血糖値が126mg/dL以上、またはHbA1c(ヘモグロビンA1c)が6.5%以上の数値が複数回の検査で確認された状態のことで、糖尿病は以下の種類に分けられます。
- 1型糖尿病
- 2型糖尿病
- 妊娠糖尿病
- 二次性糖尿病
日本では2型糖尿病が患者の大半を占めており、糖尿病の改善には生活習慣の見直しが必要です。
1-2.糖尿病の「ステージ」について
糖尿病のステージとは、血糖コントロールの状態や合併症の有無・進行度を以下の4段階に分けたものです。
- 予備群(境界型)
- 初期
- 進行期
- 重症期
それぞれの詳細は後述しますが、予備群では血糖値がやや高い程度で自覚症状がほとんどなく、重症期になるにつれて合併症が明らかになり、日常生活に影響が出てきます。
ただし、この分類は医療機関によって異なる場合もあります。ご自身の状態を正しく把握して、適切な治療や生活指導を受けるのが大切です。
1-3.糖尿病は治せるのか
糖尿病は、基本的に完治ができない疾患とされていますが、早期発見と適切な治療により、症状の改善や血糖コントロールを達成することは可能です。ウォーキングなどの有酸素運動や、糖質制限を含むバランスの良い食事が効果的とされています。
治療効果はステージによって異なるため、できるだけ早く診断を受けて速やかに対応しましょう。定期的に医師の診察を受け、根気強く健康管理に取り組むことが重要です。
2.糖尿病のステージ別(進行度別)の主な症状と体の変化
糖尿病のステージ別(進行度別)の主な症状と体の変化について、以下に紹介していきます。
- ステージ1:糖尿病予備群(境界型糖尿病)
- ステージ2:糖尿病初期(診断期)
- ステージ3:糖尿病進行期(合併症発症リスク・早期合併症期)
- ステージ4:糖尿病重症期(顕性合併症期・進行合併症期)
ひとつずつ解説します。
2-1.ステージ1:糖尿病予備群(境界型糖尿病)
糖尿病のステージ1は、血糖値がやや高いものの自覚症状がほとんどない段階です。いわゆる糖尿病予備軍と呼ばれ、健康診断で初めて気づくケースが多いです。
糖尿病予備軍の段階では体に大きな不調は出にくいですが、血管には少しずつ負担がかかり始めています。放置すると糖尿病へ進行するリスクが高まるため、食事や運動など生活習慣の見直しが重要です。
2-2.ステージ2:糖尿病初期(診断期)
糖尿病のステージ2では糖尿病と診断され、初期症状が現れ始める段階です。糖尿病のステージ2では、主に以下の症状が現れ始めます。
- 喉の渇き
- 頻尿
- 体のだるさ
- 食事をしているのに体重が減る
糖尿病初期の段階で適切な治療や生活改善をおこなうと、糖尿病の進行を抑えられる場合があるため、症状を見逃さず、早めに医療機関へご相談ください。
糖尿病の初期症状についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
2-3.ステージ3:糖尿病進行期(合併症発症リスク・早期合併症期)
糖尿病のステージ3では合併症のリスクが高まり、体に異常が現れ始める段階です。高血糖の状態が続くと、神経や血管にダメージが蓄積し、以下のような症状が現れる場合があります。
- 手足のしびれや痛み
- 視力の低下
- 傷の治りにくさ
これらは糖尿病の合併症の初期サインであり、放置するとさらに悪化するため、糖尿病治療で血糖コントロールを徹底するのが重要です。
糖尿病による足の痛みがある方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
糖尿病で足が痛む原因とは?痛みが出やすい場所や痛み以外の症状も解説
2-4.ステージ4:糖尿病重症期(顕性合併症期・進行合併症期)
糖尿病のステージ4は合併症が進行し、生活に大きな影響が出る段階です。糖尿病のステージ4では腎臓や目、神経に深刻な障害が起こり、主に以下のような症状が現れます。
- むくみ
- 視力障害
- 足の潰瘍
場合によっては人工透析や手術が必要になるケースもあり、心筋梗塞や脳梗塞のリスクも高まるため、ここまで進行する前に、早期発見と継続的な治療をおこなうのが重要です。
3.糖尿病が進行した場合に起こる合併症とそのサイン

糖尿病が進行すると全身の血管や神経に障害が広がり、さまざまな合併症が現れます。ここでは、糖尿病が進行した場合に起こる合併症をご紹介します。
- 三大合併症(細小血管障害)
- 大血管障害(動脈硬化性疾患)
- その他の合併症
それぞれ見ていきましょう。
3-1.三大合併症(細小血管障害)
三大合併症とは細い血管が傷つくことで起こる障害です。糖尿病では高血糖により毛細血管がダメージを受けやすく、神経、目、腎臓に異常が出ます。
以下では、三大合併症をそれぞれ詳しく解説します。
- 糖尿病神経障害
- 糖尿病網膜症
- 糖尿病腎症
ひとつずつ見ていきましょう。
3-1-1.糖尿病神経障害
糖尿病神経障害とは、高血糖が続くことで神経がダメージを受け、しびれや痛みなどの症状が出る合併症です。高血糖によって神経に栄養が届きにくくなり、感覚が鈍くなるのが手足のしびれや痛みを引き起こす原因です。
初期は足先の違和感やピリピリした痛みが中心ですが、進行すると温度や痛みを感じにくくなります。その結果、ケガに気づかず悪化するリスクもあるため、早めに異変に気づくのが重要です。
3-1-2.糖尿病網膜症
糖尿病網膜症は、視力低下や失明につながる合併症です。高血糖により、目の奥にある網膜の血管が傷つき出血や詰まりが起こると、糖尿病網膜症を引き起こします。初期はほとんど症状がありませんが、進行すると視界がぼやけたり、黒い点が見えたりします。
糖尿病網膜症が悪化すると急激に視力が落ちる場合があるため、早めの対処が必要です。
3-1-3.糖尿病腎症
糖尿病腎症は、腎臓の働きが低下する合併症です。腎臓の細い血管が傷つくと、体内の老廃物をうまく排出できなくなり、進行するとむくみやだるさが出ます。
初期は症状がほとんどありませんが、糖尿病腎症が悪化すると腎不全となり、人工透析が必要になる場合も。
糖尿病腎症の早期発見のためには、尿検査が重要です。
3-2.大血管障害(動脈硬化性疾患)
大血管障害は、太い血管が硬くなり詰まりやすくなる状態です。高血糖が続くと血管の内側が傷つき、動脈硬化が進行します。
大血管障害は心臓や脳、足の血流が悪くなり、命に関わる病気を引き起こすリスクがあるため、胸の痛みや手足のしびれなどの症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診してください。
ここでは、大血管障害をそれぞれ詳しく解説します。
- 虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症)
- 脳血管障害(脳梗塞・脳出血)
- 末梢動脈疾患(PAD)
ひとつずつ確認していきましょう。
3-2-1.虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症)
虚血性心疾患は、心臓の血流が不足する病気です。動脈硬化により心臓の血管が狭くなると、胸の痛みや圧迫感が起こります。
狭心症は一時的な血流不足ですが、心筋梗塞では血管が詰まり心筋が壊死する場合があります。突然発症するケースも多く、息切れや胸の違和感を感じたら注意が必要です。
3-2-2.脳血管障害(脳梗塞・脳出血)
脳血管障害は脳の血管が詰まったり破れたりして、脳の働きに障害が出る病気です。血管が詰まる脳梗塞や、血管が破れる脳出血が代表的な症例で、糖尿病により血管が弱くなると発症リスクが高まります。
片側の手足の麻痺や言葉が出にくいなどの症状が現れた場合は、脳血管障害を発症しているリスクがあるため早期の対応が必要です。
3-2-3.末梢動脈疾患(PAD)
末梢動脈疾患は、足の血流が悪くなる病気です。動脈硬化によって足の血管が狭くなると、歩くと痛みが出て休むと改善するといった症状が見られます。
末梢動脈疾患が進行すると傷が治りにくくなり、壊疽につながるリスクもあります。
末梢動脈疾患を早期発見するには、足の冷えやしびれなどのサインを見逃さないのが大切です。
3-3.その他の合併症
糖尿病は血管障害以外にもさまざまな合併症を引き起こします。高血糖による免疫力の低下や炎症の影響で、口腔内や脳、感染リスクにも影響が出ます。
ここでは、血管障害以外の合併症を見ていきましょう。
- 歯周病
- 認知症
- 感染症
ひとつずつご紹介します。
3-3-1.歯周病
糖尿病は、歯周病を悪化させやすいです。高血糖により細菌に対する抵抗力が低下し、歯茎の炎症が起こりやすくなります。歯茎の腫れや出血、口臭の悪化が主なサインです。
また、歯周病が進むと炎症物質が全身に広がり、インスリンの働きを弱めるため、血糖コントロールが悪化しやすくなるリスクがあります。
糖尿病や歯周病の悪化を防ぐためにも、日頃の口腔ケアと血糖コントロールを両立させるのが大切です。
3-3-2.認知症
糖尿病は、脳の血管障害や炎症を通じて認知機能の低下を招くことがあります。認知症のリスクを軽減させるためにも、血糖値の適切な管理と脳の健康維持が重要です。
周囲の方の協力を得ながら、認知機能の変化に早めに気づける体制を整えましょう。
3-3-3.感染症
糖尿病は、免疫機能の低下により肺炎や皮膚感染症、尿路感染症などにかかりやすいです。重症化がしやすい傾向があるため、予防接種や手洗い、清潔保持を徹底しましょう。
また、体調不良のときは、早めに医療機関を受診してください。
4.糖尿病の合併症はなぜ起こるのか?
糖尿病で合併症が起きるのは、高血糖が長く続くと全身の血管や細胞がダメージを受けるのが原因です。血液中の糖が多い状態が続くと、血管の内側や神経、臓器に負担がかかり、少しずつ機能が低下していきます。とくに細い血管ほど影響を受けやすく、目や腎臓、神経に障害が出やすいです。
ここでは、糖尿病になるとなぜ合併症を引き起こすのかを解説します。
- 高血糖が血管の内壁を直接傷つける
- 血液がの流れが滞る
- たんぱく質が糖化して組織を脆くする
- 活性酸素が増えて細胞を酸化させる
- 微小な血管が詰まり神経を壊死させる
- 免疫力が低下し感染症を招き寄せる
ひとつずつ見ていきましょう。
4-1.高血糖が血管の内壁を直接傷つける
糖尿病により高血糖の状態が続くと、血管の内側を傷つけて合併症を引き起こす原因になります。
血液中の糖が多すぎると、血管の内壁に炎症が起こりやすく、血管が硬くなったり傷ついたりして、血流が悪くなります。血流が悪くなると、目や腎臓などの重要な臓器に十分な酸素や栄養が届かなくなり、合併症を引き起こすのです。
4-2.血液の流れが滞る
高血糖が続くと血管障害が進み、細い血管の合併症や動脈硬化のリスクが高まります。血液中の糖分が増えると粘り気が強くなり、スムーズに流れにくくなるため、細い血管では詰まりやすくなり、全身の細胞に栄養が届きにくくなります。とくに手足の先といった血流がもともと弱い部分で影響が出やすいです。
糖尿病による血流の悪化は、神経障害や壊疽の原因になるため注意しましょう。
4-3.たんぱく質が糖化して組織を脆くする
血液中の糖がたんぱく質と結びつくと組織がもろくなるのも、合併症を引き起こす原因のひとつです。これを糖化と呼び、体のなかで老化のような変化を引き起こします。
血管や皮膚、臓器のたんぱく質が糖化で変性すると、本来の働きが低下し、血管や内臓が傷つきやすくなります。糖化による変化が積み重なると、合併症の進行につながるのです。
4-4.活性酸素が増えて細胞を酸化させる
高血糖は活性酸素を増やし、細胞を傷つけます。活性酸素は体内で発生する物質ですが、増えすぎると細胞を酸化させてダメージを与えます。
糖尿病になると活性酸素のバランスを崩し、細胞や血管の老化が進みやすいため、臓器の機能低下や炎症が起こりやすいです。
4-5.微小な血管が詰まり神経の働きが悪くなる
糖尿病で細い血管が詰まると、神経そのものや神経周囲の細い血管が傷み、神経の働きが悪くなります。糖尿病では毛細血管と呼ばれる細い血管がダメージを受けやすく、血流が途絶える場合があります。血流が途絶えると神経が正常に働かなくなり、しびれや痛みを感じることも。
糖尿病による神経障害は、日常生活に大きく影響するため早期対策が重要です。
4-6.免疫力が低下し感染症にかかりやすくなる
高血糖は免疫力を低下させ、感染症にかかりやすくします。血糖値が高い状態では白血球の働きが弱まり、細菌やウイルスへの抵抗力が下がるため、傷が治りにくく、皮膚や足に感染が広がりやすくなります。
糖尿病が重症化すると、壊疽や全身感染のリスクもあり危険です。
感染を防ぐためにも、日常的な血糖管理を心がけましょう。
5.糖尿病を管理し悪化させない方法【糖尿病と診断された場合】
糖尿病と診断された方へ向けて、以下に糖尿病を管理し、悪化させない方法をステージごとにまとめました。それぞれ確認してください。
| ステージ | ステージ1:糖尿病予備群
(境界型糖尿病) |
ステージ2:糖尿病初期
(診断期) |
ステージ3:糖尿病進行期
(合併症発症リスク・早期合併症期) |
ステージ4:糖尿病重症期
(顕性合併症期・進行合併症期) |
| 主な症状 | 自覚症状ほぼなし
(血糖値が正常範囲をわずかに超える) |
のどの渇き
頻尿 疲れやすい 体重減少など |
足のしびれ
視界のかすみ むくみなど |
失明
腎不全 心疾患など |
| 推奨される治療法 | 生活習慣改善
+食事・運動の見直し |
生活習慣改善
+必要に応じて薬物療法開始 |
厳格な血糖コントロール
+薬物療法の強化 |
専門医による治療
+合併症管理、緊急対応 |
| 食事管理 | 糖質過多を避ける
(バランス良い食事) |
糖質制限とカロリーコントロール
(食事回数の調整) |
より厳密な糖質・塩分制限 | 合併症状況に応じた厳格な栄養管理 |
| 運動 | 軽度の有酸素運動
(ウォーキングなどを週数回) |
有酸素運動を週3~5回程度、無理のない範囲で | 継続的な運動療法
+生活習慣指導 |
合併症の影響を考慮した無理のない運動 |
| 通院頻度 | 1年に1~2回の健康診断で血糖値チェック | 3~6カ月に1回の通院で血糖管理 | 1~3カ月に1回の通院で検査と治療調整 | 月1回以上の通院や入院治療が必要な場合もあり |
ただし、より詳しい方法については、専門の医療機関や担当の医師へ直接ご相談ください。
6.まとめ
糖尿病の症状はステージごとに異なり、糖尿病が進行するにつれて、以下のような症状が出てくる場合があります。
- のどの渇き
- 頻尿
- 手足のしびれや痛み
- だるさ
重症期になると合併症が明らかになる場合もあるため、普段の生活習慣から見直していきましょう。
れいめいクリニック浅草橋では、糖尿病をはじめとしたさまざまな疾患に対しての診療をおこなっています。「のどがよく渇く」「疲れやすい」などのお悩みがある方は、ぜひ一度当院へご相談ください。
