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粉瘤とは

粉瘤(ふんりゅう)は、皮膚の下にできる良性の腫瘍で、アテロームとも呼ばれます。「脂肪の塊」と思われがちですが、実際は皮膚の垢(角質)や皮脂が袋の中に溜まったものです。
多くの方が「がんではないか」と心配されますが、粉瘤は良性で、がん化することはほとんどありません。ただし、放置すると徐々に大きくなり、炎症を起こすと赤く腫れて強い痛みが出ることがあります。「臭いが気になる」「見た目が気になる」という理由で受診される方も多く、日常生活のストレスになることもあります。早めの治療で簡単に取り除けるため、気になる症状があれば遠慮なくご相談ください。
こんな症状はありませんか?
- 皮膚の下にコロコロとしたしこりがある
- しこりが徐々に大きくなってきた
- しこりの中央に黒い点がある
- 圧迫すると臭いのある物質が出てくる
- しこりが赤く腫れて痛みがある
- 熱を持って化膿している
- 同じ場所で炎症を繰り返している
- 顔や首など目立つ場所にできている
- 複数の粉瘤ができている
- ニキビだと思って治療したが改善しない
- 数か月経っても消えないできものがある など
注意が必要な症状
粉瘤は良性腫瘍ですが、放置すると様々な問題を引き起こす可能性があります。特に以下のような症状がある場合は、早急な治療が必要です。
炎症を起こして赤く腫れ、痛みが強い場合は、炎症性粉瘤の可能性が高いです。この状態では細菌感染により膿が溜まっており、早急に切開排膿などの処置が必要になります。放置すると痛みで眠れない、座れない、歩けないなど、日常生活に深刻な影響を与えることがあります。
また、まれではありますが、炎症を繰り返すことで皮膚がんが発生する可能性も報告されています。同じ場所で何度も炎症を起こしている場合は、特に注意が必要です。粉瘤を自分で潰そうとすると、細菌感染のリスクが高まり、症状を悪化させる恐れがあるため絶対に避けてください。
粉瘤の原因
毛穴の詰まり
毛穴が何らかの理由で詰まり、皮脂や角質が外に排出されずに皮膚の内側に溜まることで発生します。特に皮脂腺が多い顔、首、背中などに発生しやすい傾向があります。体質的に粉瘤ができやすい方もいらっしゃいます。
外傷やニキビ跡
切り傷や打撲などの外傷、ニキビの痕などをきっかけに発生することがあります。皮膚が修復される過程で、表皮が皮膚の内側に入り込んで袋状の構造を作ってしまうことが原因と考えられています。
炎症性粉瘤
粉瘤の内部に細菌が侵入すると、感染を起こして炎症性粉瘤となります。急激に赤く腫れ上がり、強い痛みを伴います。膿が溜まることで悪臭を発することもあり、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。
その他の要因
まれにヒトパピローマウイルスの感染や遺伝的要因で発生することも報告されています。しかし、多くの場合は原因不明で、誰にでも起こりうる一般的な皮膚疾患です。
粉瘤の検査・診断
視診・触診による診断
粉瘤の診断は、まず医師による視診と触診から始まります。皮膚の盛り上がりの形状、大きさ、硬さ、可動性などを確認します。粉瘤特有の中央の黒い点(開口部)の有無も重要な診断ポイントです。
超音波検査での確認
触診だけでは判断が難しい場合、超音波検査を行います。粉瘤の正確な大きさ、深さ、周囲組織との関係を把握できます。皮下の状態を詳しく確認することで、手術計画を立てやすくなります。
炎症の評価
赤み、腫れ、痛みがある場合は、炎症を起こしている可能性があります。炎症の程度により、すぐに手術を行うか、まず炎症を抑える治療を優先するかを判断します。
粉瘤の治療
炎症がある場合の初期治療
粉瘤が化膿している場合は、まず抗生物質の内服や外用薬で炎症を抑えます。膿が溜まっている時は、局所麻酔下で切開し、膿を排出する処置を行います。炎症が落ち着いてから、根治的な摘出術を計画します。
外科的切除
炎症がない、または炎症が治まった後に、粉瘤全体を摘出する手術を行います。局所麻酔を使用した日帰り手術で、小さな粉瘤であれば短時間で完了します。
袋(嚢腫壁)を完全に取り除くことが再発防止の鍵となります。粉瘤の大きさや位置に応じて、最も傷跡が目立たない切開方法を選択し、丁寧に縫合します。
専門医療機関への紹介
大きな粉瘤、顔面など美容的に重要な部位の粉瘤、複雑な症例については、連携している三井記念病院や順天堂大学医学部附属順天堂医院の形成外科・皮膚科へご紹介いたします。より専門的な治療が必要と判断した場合は、速やかに対応いたします。
