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前立腺炎とは

前立腺炎は、男性特有の臓器である前立腺に炎症が起こる病気です。前立腺は膀胱の下にある栗の実ほどの大きさの臓器で、精液の一部となる前立腺液を作っています。
男性の約10~15%が経験する身近な病気で、特に20代から50代の働き盛りの方に多く見られます。会陰部の不快感や頻尿、排尿時の違和感など、デリケートな部位の症状のため、恥ずかしさから受診をためらう方も多くいらっしゃいます。しかし、これらの症状は仕事や日常生活に大きな支障をきたし、放置すると慢性化して長期間悩まされることになります。早めの受診と適切な治療で症状の改善は可能ですので、お一人で悩まずご相談ください。
こんな症状はありませんか?
- 会陰部(肛門と陰嚢の間)の痛みや不快感
- 頻尿や残尿感、尿の勢いが弱い
- 排尿時の痛みや違和感
- 下腹部や腰、太ももの内側の痛み
- 長時間座っていると症状が悪化する
- 射精時や射精後の痛み・不快感 など
前立腺炎の症状
急性前立腺炎の症状
急性前立腺炎では、38℃以上の高熱や排尿時の強い痛み、頻尿、尿が出にくいなどの症状があります。会陰部(肛門と陰嚢の間)や下腹部に激しい痛み、全身の倦怠感が出ることもあります。
慢性前立腺炎の症状
排尿に関する症状
頻尿や残尿感、排尿時の違和感、軽い痛み、尿の勢いが弱くなるなどの症状が。夜間に何度もトイレに起きることで、睡眠不足になる方も少なくありません。
痛み・不快感の症状
会陰部の鈍い痛みや違和感が最も多い症状です。下腹部や腰、太ももの内側にも痛みが広がることがあります。睾丸に不快感を覚えたり、射精時や射精後に痛みを感じたりする場合もあります。座っている時間が長いと悪化する傾向があります。
その他の症状
血尿や勃起機能への影響が出ることがあります。程度は人によって異なり、日によって良くなったり悪くなったりを繰り返すのが特徴です。
前立腺炎の分類
前立腺炎は急激に発症する急性細菌性前立腺炎、細菌感染が慢性化した慢性細菌性前立腺炎、細菌が検出されない慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群、症状がない無症候性炎症性前立腺炎に分けられます。
実際の診療では、慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群が最も多く、全体の約90%を占めています。
前立腺炎の原因
細菌性の原因
急性前立腺炎の多くは大腸菌などの腸内細菌が尿道から侵入して起こります。性感染症の原因となるクラミジアや淋菌、マイコプラズマ、ウレアプラズマが原因となることもあります。
非細菌性の原因
長時間のデスクワークや車の運転による前立腺への圧迫、前立腺周囲の血流不良が主な原因と考えられています。自転車やバイクに長時間乗ることも前立腺に負担をかけます。ストレスや疲労の蓄積、過度の飲酒、香辛料などの刺激物の摂取も症状を悪化させる要因となります。
前立腺炎の検査・診断
尿検査
尿中の白血球や細菌の有無を調べます。前立腺マッサージ後の尿を検査することで、より正確な診断が可能になります。
尿培養検査
原因となる細菌を特定し、効果的な抗生物質を選択するために行います。
性感染症検査
クラミジアや淋菌などの性感染症の可能性を調べます。
直腸診
医師が肛門から指を入れて前立腺を触診します。前立腺の腫れや痛みの有無を確認する重要な検査です。
血液検査
PSA(前立腺特異抗原)値や炎症反応を調べ、前立腺がんとの鑑別も行います。
エコー検査
必要に応じて前立腺や膀胱の状態を画像で確認します。
前立腺炎の治療
急性前立腺炎の治療
抗生物質による治療が効果的です。通常2~4週間の内服で改善しますが、高熱や強い痛みがある場合は入院して点滴治療を行うこともあります。解熱鎮痛薬も併用します。
慢性前立腺炎の治療
薬物療法
症状に応じて複数の薬を組み合わせます。抗生物質は細菌性の炎症に効果的ですが、細菌が検出されない場合でも効果があることがあります。排尿症状の改善にはα1ブロッカー、痛みには鎮痛薬や抗炎症薬を使用します。植物製剤のセルニルトンや漢方薬を処方することもあります。
生活習慣の改善
薬物療法と並行して、日常生活の見直しも重要です。症状の改善には時間がかかることが多いため、根気強く治療を続ける必要があります。
慢性前立腺炎との向き合い方
慢性前立腺炎は症状が良くなったり悪くなったりを繰り返すことが多い病気です。治療を始めてもすぐに効果が現れないことがありますが、あきらめずに継続することが大切です。
生活習慣の改善と適切な薬物療法を組み合わせることで、多くの場合、症状のコントロールが可能になります。医師と相談しながら最適な治療を探していくことが重要です。
