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訪問診療で対応できる病気って何があるの?意外と知らない在宅医療の守備範囲

2025.12.08

「うちの家族の病気でも訪問診療は受けられるの?」という疑問

親御さんやご家族が通院できなくなったとき、多くの方が最初に抱く不安が「この病気で訪問診療は受けられるのだろうか」という疑問です。

「がんの末期だから無理かも」「人工呼吸器を使っているから対応してもらえないのでは」「複雑な処置が必要だから病院じゃないとダメだろう」——そんな風に諦めてしまう前に、ぜひ知っていただきたいことがあります。

実は、訪問診療で対応できる疾患や医療処置の範囲は、多くの方が想像されているよりもずっと広いのです。

この記事では、台東区で訪問診療を提供する浅草橋西口クリニックMoの実例をもとに、在宅医療で実際にどんな病気に対応できるのかを詳しくご紹介します。

そもそも訪問診療とは?往診との違いを知っておこう

まず基本的なところから整理しましょう。「訪問診療」と「往診」は似ているようで、実は大きく異なります。

訪問診療は、あらかじめ決められたスケジュールに沿って、医師が定期的に患者さんのご自宅や施設を訪れ、計画的に診療を行うものです。通常は月に2回以上、継続的に健康管理を行います。

一方、往診は、急な体調変化があったときに、緊急で医師が駆けつけて診察するものです。訪問診療を受けている患者さんが急変した際に、往診が実施されることもあります。

つまり、訪問診療は「定期的な健康管理」、往診は「緊急対応」と考えるとわかりやすいでしょう。

訪問診療で対応できる病気

ここからは、実際に訪問診療で対応可能な疾患を分野別に見ていきましょう。

がん・悪性腫瘍|最期まで自宅で過ごしたい方へ

対応可能な主ながん: 肺癌、胃癌、大腸癌、胆管癌、膵癌、卵巣癌、乳癌など

がん患者さんの中には、「最期は住み慣れた自宅で家族と過ごしたい」と希望される方が少なくありません。訪問診療では、そうした願いを叶えるための緩和ケアを提供しています。

痛みのコントロールには医療用麻薬(オピオイド)を使用し、PCAポンプという機器で持続的に疼痛管理を行うこともできます。吐き気や呼吸困難といった症状の緩和、点滴や中心静脈栄養による栄養管理も自宅で可能です。

そして何より、入院とは違って面会時間の制限がありません。家族が好きな時に寄り添い、ペットとも一緒に過ごせる——そんな環境で、その人らしい時間を過ごすことができます。

神経疾患|通院の負担が大きい病気だからこそ

対応可能な主な疾患: 脳梗塞・脳出血後遺症、パーキンソン病・パーキンソン症候群、多系統萎縮症

脳卒中の後遺症で片麻痺や嚥下障害がある方、パーキンソン病で動作が困難な方——こうした神経疾患の患者さんにとって、通院そのものが大きな負担になります。

訪問診療なら、医師が自宅に来てくれるため、患者さんの体力的な負担が軽減されます。パーキンソン病では、薬の効き具合(オン・オフ)に合わせた服薬調整が重要ですが、自宅での生活状況を直接観察できるため、より適切な薬物療法が可能になります。

また、嚥下障害がある方には胃瘻の管理、リハビリテーションとの連携も行います。

呼吸器疾患|酸素療法や人工呼吸器も在宅で管理

対応可能な主な疾患: 肺気腫(COPD)、間質性肺炎、肺結核後遺症

慢性的な呼吸器疾患を抱える方にとって、病院への移動は呼吸困難を悪化させる原因になります。特に階段の昇り降りや電車での移動は大きな負担です。

在宅医療では、在宅酸素療法(HOT)の管理や、人工呼吸器を使用している方の呼吸管理も行えます。気管カニューレの管理、呼吸状態のモニタリングも自宅で実施可能です。

季節の変わり目や感染症が流行する時期には症状が悪化しやすいため、定期的な訪問により早期に変化を察知し、入院を回避することにもつながります。

心血管疾患|再入院を防ぐ継続的な観察が鍵

対応可能な主な疾患: 慢性心不全、各種弁膜症、狭心症・心筋梗塞後

心不全は、一度入院してもまた悪化して再入院する——というサイクルを繰り返しやすい病気です。しかし、定期的な訪問診療で体重や浮腫の状態を細かくチェックすることで、増悪の兆しを早期に発見できます。

自宅での食事内容や水分摂取量、日常生活の様子を直接観察できるため、実効性の高い生活指導も可能になります。「塩分は控えめに」と言われても、実際にどの程度なのかは患者さんによって理解が異なりますが、訪問診療なら具体的にアドバイスできます。

消化器疾患|胃瘻や人工肛門の管理も

対応可能な主な病態: 経口摂取困難、肝硬変、胃瘻・腸瘻造設状態、中心静脈栄養カテーテル留置状態、人工肛門造設状態

食事が口から摂れなくなった方、胃瘻や腸瘻を造設している方、人工肛門(ストーマ)をつけている方——こうした状態でも、在宅で継続的な医療管理を受けることができます。

胃瘻の交換や管理、中心静脈栄養カテーテル(CVポート)の管理、人工肛門のケア、さらには腹水穿刺といった処置も訪問診療で対応可能です。

腎泌尿器疾患|カテーテル管理や腎機能チェック

対応可能な主な疾患: 慢性腎不全、尿道カテーテル留置状態、腎瘻造設状態

排尿が自力でできず尿道カテーテルを留置している方、腎瘻を造設している方の管理も訪問診療で行えます。定期的なカテーテル交換、尿路感染症の治療、腎機能のモニタリングを自宅で実施します。

皮膚疾患|褥瘡(床ずれ)のケアも

対応可能な主な疾患: 湿疹、褥瘡

寝たきりの方に起こりやすい褥瘡(床ずれ)は、適切な処置とケアが必要です。訪問診療では、褥瘡の処置やデブリードメント(壊死組織の除去)を行います。大掛かりな処置が必要な場合は、クリニックの外来に来ていただいて治療することも可能です。

整形外科疾患|骨折後のフォローアップ

対応可能な主な疾患: 脊髄損傷、胸椎腰椎圧迫骨折後、大腿骨頸部骨折後、脊柱管狭窄症

高齢者に多い圧迫骨折や大腿骨頸部骨折の後は、しばらく通院が困難になることがあります。訪問診療で骨折後のフォローアップ、疼痛管理、リハビリテーションとの連携を行うことで、自宅での回復をサポートします。

その他の疾患|実は幅広く対応できる

対応可能な疾患: 関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE)、強皮症などの自己免疫疾患、小児麻痺、発達障害、インスリン注射が必要な方など

自己免疫疾患で継続的な治療が必要な方、インスリン自己注射が必要な糖尿病の方、さらには予防接種なども訪問診療で対応できます。

在宅でできる医療処置はここまで進化している

「病院でしかできない」と思われがちな医療処置も、実は多くが在宅で可能になっています。

  • 在宅酸素療法
  • 人工呼吸器管理
  • 気管カニューレ管理
  • 胸水穿刺・腹水穿刺
  • 胃瘻・腸瘻の交換と管理
  • 中心静脈栄養カテーテル管理(CVポート)
  • 人工肛門管理
  • 尿道カテーテル・腎瘻管理
  • デブリードメント(創傷処置)

こうした処置が必要な状態でも、「自宅では無理」と諦める必要はありません。

訪問診療の対象は「通院が困難な方」——疾患は問いません

ここまで様々な疾患を紹介してきましたが、実は訪問診療を受けるための条件は意外とシンプルです。

「通院が困難な状態であれば、疾患を問わない」

これが基本的な考え方です。具体的には:

  • 加齢や病気で外出が難しい方
  • おひとりでの通院が不安な方
  • 介助が必要な方
  • 高齢のご夫婦世帯
  • 一人暮らしの方

こうした方々が対象になります。「この病気は対象外かも」と思い込まず、まずは相談してみることが大切です。

訪問診療だけで対応できない場合はどうする?

もちろん、すべてが在宅で完結するわけではありません。

例えば、CTやMRIといった大型の画像診断装置が必要な場合、緊急手術が必要な急性疾患、集中治療室(ICU)での管理が必要な重症状態などは、病院での対応が必要になります。

しかし、そうした場合でも「訪問診療か病院か」という二者択一ではなく、両方を上手に組み合わせることができます。

専門的な治療や検査は病院で受け、日常的な健康管理は訪問診療で行う——こうした併用により、患者さんの負担を最小限にしながら、必要な医療を受けることができます。

訪問診療を行っているクリニックは、近隣の病院と連携しており、必要に応じてスムーズに検査や入院の手配を行います。治療の重複や不足がないよう、情報共有もしっかり行われます。

訪問診療が可能な場所は自宅だけじゃない

「訪問診療=自宅」というイメージが強いかもしれませんが、実は様々な施設でも訪問診療を受けることができます。

  • 居宅(自宅)
  • サービス付き高齢者向け住宅
  • 介護付き有料老人ホーム
  • 住宅型有料老人ホーム
  • グループホーム

こうした施設に入居している方も、訪問診療の対象になります。施設によっては提携している訪問診療クリニックがある場合もありますし、患者さんやご家族が選んだクリニックに依頼することも可能です。

台東区で訪問診療を検討するなら

台東区、中央区、千代田区、墨田区、江東区、文京区といった都心部では、訪問診療を提供するクリニックが増えてきています。

浅草橋西口クリニックMoでは、月曜日から土曜日まで定期訪問を行っており、緊急時には24時間365日対応の体制を整えています。

訪問診療の相談は、患者さんやご家族から直接クリニックに連絡することもできますし、ケアマネージャーを通じて依頼することも可能です。入院中の方であれば、病院の医療連携室(ソーシャルワーカー)に相談すれば、退院前から訪問診療の準備を進めることができます。

まとめ|「この病気では無理」と諦める前に相談を

訪問診療で対応できる疾患の範囲は、多くの方が想像するよりもずっと広いものです。

がんの緩和ケア、人工呼吸器管理、胃瘻や人工肛門の管理、褥瘡の処置——こうした医療処置も、今や在宅で受けることができる時代になりました。

「この病気では訪問診療は無理だろう」「こんな複雑な処置が必要だから自宅では無理」と諦めてしまう前に、ぜひ一度、訪問診療クリニックに相談してみてください。

通院の負担から解放され、住み慣れた環境で安心して療養生活を送る——そんな選択肢があることを、知っていただければと思います。

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