
「健康診断で血糖値が高めと指摘されたけど、仕事も忙しく、厳しい食事制限や運動を毎日続けるのは正直しんどい」「でも、薬には頼りたくないし、何もしないのは怖い」そんな不安をお持ちではありませんか?
食事や運動から改善するのは難しくても、毎日口にする飲み物を置き換えることで血糖値コントロールをサポートできます。
本記事では、血糖値を下げるおすすめの飲み物と、逆に血糖値を上げる飲み物を解説します。
血糖値を下げるための効果的な飲みかたとタイミング、血糖値を下げる飲み物選びで気をつけるポイントもご紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。
1.血糖値が高いとどうなる?
血糖値が高い状態が続くと、全身の血管が糖によって傷つけられ、糖尿病や合併症を引き起こすリスクが高まります。最初は自覚症状がほとんどないため放置されがちですが、気づかないうちに体内でダメージが蓄積し、最悪の場合は失明や人工透析、足の切断などを招くおそれも。
また、動脈硬化が進むと心筋梗塞や脳卒中といった命に関わる病気の原因にもなるため、早めに対策をおこなうのが重要です。
2.血糖値を下げる・上昇を防ぐ飲み物7選

食事や運動による血糖値コントロールが最も効果的ですが、毎日の飲み物を工夫するだけでも、血糖値の急上昇を抑えたり、高い数値を下げやすくしたりする効果が期待できます。糖分が多く含まれるジュースや甘い炭酸飲料を控えるのはもちろんですが、特定の健康成分を含むお茶やコーヒーなどを意識して選ぶのがポイントです。
これから紹介する7つの飲み物は、スーパーやコンビニで手軽に買えるものばかりなため、自分の好みに合う味を見つけて、無理なく毎日の習慣に取り入れていきましょう。
- 緑茶
- コーヒー
- 黒豆茶
- 紅茶
- 牛乳・豆乳
- トマトジュース
- レモン水・お酢
- 番外編:最強の組み合わせ「緑茶とコーヒー」
ひとつずつご紹介します。
2-1.緑茶
緑茶に含まれる渋み成分カテキンには、糖質の吸収を緩やかにし、食後の急激な血糖値の上昇を抑える働きがあります。とくに食事中や食後に飲むと効果的で、継続して飲み続けると糖尿病の発症リスクを低下させる効果も報告されているのです。
ペットボトルのお茶でも良いですが、急須で淹れたお茶の方が成分を多く摂取できるため、時間があるときは茶葉から楽しみ、苦味が苦手な方は少し薄めて飲むのもおすすめです。
2-2.コーヒー
コーヒーに含まれるポリフェノールの一種クロロゲン酸は、糖の分解や吸収を抑える働きがあり、糖尿病の予防や改善に役立つ成分として注目されています。1日3杯から4杯程度を飲む人は、まったく飲まない人に比べて血糖値のリスクが低いというデータもありますが、飲みすぎには注意が必要です。
砂糖やミルクをたっぷり入れると糖分過多で逆効果になるため、基本はブラックで飲むか、植物由来の甘味料を活用しましょう。
参考元:4.嗜好飲料の糖尿病発症予防効果―コーヒーや緑茶摂取に関する疫学研究からの考察―|厚生労働省
2-3.黒豆茶
黒豆茶は、皮に含まれる黒い色素成分アントシアニンが、脂肪の吸収を抑えたり血糖値を安定させたりするのに役立つ健康茶です。ノンカフェインであるため、カフェインが苦手な方や妊婦さん、寝る前のリラックスタイムでも安心して飲めるのがメリットです。
また、豆そのものの香ばしい風味が食欲を落ち着かせてくれるため、空腹感を紛らわせたいときにも適しており、無理のないダイエットと血糖値管理の両立を助けてくれます。
2-4.紅茶
紅茶に含まれるテアフラビンをはじめとするポリフェノールは、消化酵素の働きをブロックして糖分の吸収を穏やかにする効果があります。パンやパスタなどの炭水化物を摂る際に、無糖のストレートティーを一緒に飲むと、体内でブドウ糖に変わるスピードを遅らせて血糖値スパイクを防げるのです。
いろいろな茶葉の種類がありますが、発酵度が高いものほど多くの成分を含んでいるといわれており、香りによるリラックス効果もストレス対策になります。
2-5.牛乳・豆乳
食事の前に牛乳や豆乳をコップ1杯飲んでおくと、豊富に含まれるタンパク質や脂質が胃の壁をコーティングし、糖の吸収スピードを遅くしてくれます。これはミルクファーストとも呼ばれ、手軽に実践できる食事療法のひとつとして、多くの専門医も推奨している方法です。
豆乳を選ぶ際は、砂糖が入っている調整豆乳ではなく、大豆の成分がそのまま摂れる無調整豆乳を選ぶと、余分な糖質を摂らずにより高い効果を得られます。
2-6.トマトジュース
トマトに含まれる赤い色素成分リコピンには強い抗酸化作用があり、インスリンの働きを悪くする活性酸素を除去して血糖値を下げやすくしてくれます。生のトマトを食べるよりも、ジュースのほうが加工の過程で細胞壁が壊れているため、リコピンの吸収率が高く効率よく摂取できるのが特徴です。
トマトジュースを選ぶときは食塩や砂糖が添加されていない無塩タイプを選び、さらにオリーブオイルを少し垂らして飲むと、体内への吸収がよりスムーズになります。
2-7.レモン水・お酢
レモンに含まれるクエン酸やお酢の酢酸には、食べ物を胃から腸へ送る時間を遅らせて、食後の血糖値の急上昇を防ぐ強作用があります。食事の最初や食事中に、大さじ1杯程度のお酢やレモン汁を水や炭酸水で割って飲むだけで効果を発揮するため、外食時でも取り入れやすい方法です。
酸味が強すぎて飲みにくい場合は、野菜ジュースに混ぜたり、料理の味付けとしてドレッシング代わりに野菜にかけたりしても、同じような抑制効果を得られます。
2-8.番外編:最強の組み合わせ「緑茶とコーヒー」
緑茶のカテキンとコーヒーのクロロゲン酸を同時に摂取する緑茶とコーヒーは、双方のメリットを掛け合わせて血糖値対策を強化できる飲みかたです。
作りかたは簡単で、淹れた緑茶とコーヒーを1対1の割合で混ぜるだけですが、お互いの苦味が打ち消し合って意外にもすっきりとした味わいになります。
コーヒーのカフェインによる興奮作用を緑茶のテアニンが和らげてくれるため、体への負担も少なく、毎日続けやすい健康ドリンクです。
3.血糖値を上げる飲み物

液体に含まれる糖分は、固形の食べ物に比べて胃から腸への通過スピードが速く、あっという間に吸収されて血糖値を急上昇させる性質があります。健康のために良かれと思って飲んでいるもののなかにも、大量の糖質が隠れているケースがあるため、まずは避けるべき飲み物を正しく認識しておきましょう。
血糖値を上げる飲み物は以下の5つです。
- 清涼飲料水や炭酸
- フルーツジュース
- 糖質が含まれているコーヒー
- エナジードリンク
- アルコール
ひとつずつご紹介します。
3-1.清涼飲料水や炭酸
コーラやサイダーなどの加糖された炭酸飲料には、500mlのペットボトル1本で角砂糖10個分以上もの糖分が含まれている場合があり、血糖値を急上昇させる飲み物です。
清涼飲料水や炭酸に使われる果糖ブドウ糖液糖は砂糖よりも吸収が早いため、飲んだ直後から数値が跳ね上がって血管を痛めつけてしまいます。
ゼロカロリーやカロリーオフの表示があっても、人工甘味料がインスリンの反応や味覚に悪影響を与える可能性が指摘されているため、喉の渇きは水やお茶で潤しましょう。
3-2.フルーツジュース
果汁100%であっても、フルーツジュースは搾る過程で食物繊維が取り除かれているため糖分の吸収が速く、血糖値管理の観点からは注意が必要な飲み物です。生の果物をそのまま食べれば食物繊維と一緒に摂れるため上昇は緩やかになりますが、液体のジュースにすると果糖がダイレクトに吸収されます。
とくに朝一番の空腹時に飲むと急激なスパイクを招く原因になるため、健康的なイメージに惑わされず、野菜ジュースも含めて成分表示の糖質量を確認するようにしましょう。
3-3.糖質が含まれているコーヒー
缶コーヒーやカフェラテなどに含まれる砂糖やミルクの糖分は意外と多く、微糖と書かれていても血糖値を上げるには十分な量が入っているため油断は禁物です。
仕事の合間にリフレッシュ目的で甘いコーヒーをちょこちょこ飲み続けると、一日中血糖値が高い状態が続いて血管に負担をかけてしまいます。砂糖なしのブラックコーヒーで飲む習慣をつけるか、どうしても甘味が欲しい場合は少量の豆乳を加える程度に留めましょう。
3-4.エナジードリンク
疲労回復や眠気覚ましとして人気のエナジードリンクですが、大量の砂糖とカフェインが含まれており、短時間で強烈な血糖値上昇を引き起こす飲み物です。1本あたりの糖質量が多く、カフェインによる興奮作用と合わさって体への負担がかかるため、日常的に飲むのは避けましょう。
一時的に元気が出たように感じても、そのあとの急激な血糖値の低下でかえって強いダルさに襲われる反応性低血糖のリスクも高まるため、水やブラックコーヒーでの代用がおすすめです。
3-5.アルコール
お酒自体に糖質が多く含まれるビールや日本酒、甘いカクテルなどは直接的に血糖値を上げるほか、アルコールそのものが肝臓での糖の処理を妨げる原因になります。とくに甘いサワーや梅酒などは糖分が多く、脂っこいおつまみと一緒に摂取するとカロリーオーバーになりやすいです。
アルコールを飲む場合は糖質の少ないウイスキーや焼酎などの蒸留酒を選び、適量を守りつつ休肝日を設けるのが、長く健康にお酒を楽しむためのポイントです。
4.血糖値を下げるための効果的な飲み方とタイミング

飲み物で血糖値対策をする場合、ただ飲むだけでなく温度や時間帯を意識するのが効果を高めるポイントです。冷たいものを一度に大量に飲むと、体が冷えて代謝が下がり、血糖コントロールに悪影響を与える場合があります。
血糖値を下げるための効果的な飲みかたとタイミングを知り、毎日の食事に合わせて無理なく取り入れましょう。
4-1.飲み方
飲み物はなるべく温かいものを選び、一度に飲む量はコップ1杯程度にとどめるのが体への負担を減らすコツです。
温かい飲み物は内臓を温めて血流を良くし、糖の代謝を助ける効果が期待できます。がぶ飲みは胃液を薄めて消化を妨げるため、食事の邪魔にならない適量をゆっくりと味わって飲みましょう。
4-2.タイミング
血糖値の上昇を抑えるには、食事の直前や食事中に飲むのが効果的です。とくにトクホ(特定保健用食品)のお茶は、糖の吸収を穏やかにする働きがあるため、ラベルの表示通りに食事と一緒に摂ると本来の効果を発揮します。
食後の血糖値スパイクを防ぐためにも、いただきますのタイミングで水分補給をするのがおすすめです。
5.血糖値を下げる飲み物選びで気をつけるポイント
飲み物で血糖値対策をする際は、選びかたや飲みかたを間違えると逆効果になる場合もあるため、正しい知識を持って生活に取り入れるのが大切です。毎日の習慣として安全に続けるために、商品を選ぶときや飲むときにチェックしておきたい5つの注意点を解説します。
- 微糖や低糖ではなく完全な無糖を選ぶ
- 人工甘味料に頼りすぎない
- カフェインや酸味による胃への負担を考える
- 糖尿病薬を服用中の場合は低血糖に注意する
- 飲み物はあくまで補助と考え「食事・運動」を優先する
ひとつずつ確認していきましょう。
5-1.微糖や低糖ではなく完全な無糖を選ぶ
血糖値を上げたくないなら、パッケージに微糖や低糖と書かれたものではなく、糖質が含まれていない無糖を選ぶのが基本です。甘さひかえめと表示されていても、角砂糖数個分に相当する糖分が含まれている商品は多く、液体は固形物よりも吸収が早いため血糖値が急上昇する原因になります。
とくに市販の野菜ジュースやスポーツドリンクは糖質が多いため、成分表示をよく確認し、水やお茶、ブラックコーヒーなどを選びましょう。
5-2.人工甘味料に頼りすぎない
カロリーゼロの飲み物なら安心と思いがちですが、人工甘味料が使われているものに頼りすぎるのは、長期的な健康管理の視点からは避けるのが安心です。人工甘味料を日常的に摂り続けると、脳が甘い刺激に慣れて、より甘いものを欲するようになったり食欲が増したりするリスクがあります。
ダイエット飲料はあくまでたまの息抜きとして楽しみ、普段の水分補給は水やお茶を中心におこなうと、甘味への依存を防いで味覚を正常に保てます。
5-3.カフェインや酸味による胃への負担を考える
コーヒーやお酢ドリンクは血糖値対策に有効ですが、飲みすぎると胃腸を荒らす原因になるため、自分の体調に合わせた適量を守りましょう。
カフェインの利尿作用や強い酸味は、空腹時の胃の粘膜に刺激を与えやすく、腹痛や胸焼けを引き起こして継続が難しくなるおそれがあります。食事中や食後に飲んで胃への直接的な刺激を和らげたり、水や牛乳で薄めたりして、体に無理のない範囲で取り入れるのが健康的に続けるコツです。
5-4.糖尿病薬を服用中の場合は低血糖に注意する
すでに病院で処方された糖尿病の薬を飲んでいる方は、血糖値を下げる効果のある特定保健用食品(トクホ)のお茶を併用する際、主治医へご相談ください。薬の効果に飲み物の作用が加わると、必要以上に数値が下がり、めまいや冷や汗、手の震えといった低血糖症状を引き起こすリスクがあります。
良かれと思って自己判断で大量に摂取するのは危険なため、必ず医師の指示を仰ぎ、体の状態を見ながら慎重に取り入れるようにしましょう。
5-5.飲み物はあくまで補助と考え「食事・運動」を優先する
飲み物は手軽で続けやすい対策ですが、それだけで血糖値をすべてコントロールしようとせず、食事改善や運動の補助役として捉えるのが大前提です。どれだけ効果的なお茶を飲んでも、暴飲暴食を続けたり運動不足のままだったりしては、根本的な体質改善にはつながらず十分な効果は期待できません。
まずは野菜から食べる、食後に少し歩くといった基本の生活習慣を整え、その効果を後押しするサポーターとして飲み物を活用しましょう。
6.飲み物以外で血糖値を上げないためのポイント
血糖値を安定させるには、飲み物だけでなく、日々の食事の摂りかたや生活習慣そのものを見直すと、より高い効果が期待できます。ここからは、今日から実践できる効果的な5つの習慣をご紹介します。
- 食べる順番を野菜・海藻からにする
- ひと口30回を目安によく噛んで時間をかけて食べる
- 食後1時間以内に軽い運動を取り入れる
- 白米やパンは低GI食品へ置き換える
- 夕食は寝る3時間前までに済ませる
ひとつずつ見ていきましょう。
6-1.食べる順番を野菜・海藻からにする
食事の際は、まず野菜やキノコ、海藻類から食べ始め、次に肉や魚、最後にご飯やパンなどの炭水化物を食べるベジファーストが効果的です。最初に食物繊維を摂ると、腸の壁にコーティングが作られて糖の吸収スピードが緩やかになり、食後の急激な血糖値上昇(血糖値スパイク)を防げます。
空腹状態でいきなり白ごはんや麺類を食べると数値が一気に上がるため、まずはサラダやお味噌汁の具から箸をつける習慣をつけてください。
6-2.ひと口30回を目安によく噛んで時間をかけて食べる
ひと口あたり30回を目安によく噛んで食べると、早食いによる血糖値の急上昇を防ぎ、満腹中枢を刺激して食べ過ぎの防止にもつながります。時間をかけて食事をすると、インスリンが適切に分泌される準備が整い、体への負担を減らしながら効率よく栄養を吸収できます。
忙しいとつい急いで飲み込むように食べてしまいがちですが、食事には最低でも15分ほどの時間をかけ、味わいながらゆっくりと箸を進めるのが理想です。
6-3.食後1時間以内に軽い運動を取り入れる
食後30分から1時間ほどのタイミングで、散歩や家事などの軽い運動を取り入れると、血液中に増えたブドウ糖がすぐにエネルギーとして消費されます。血糖値がもっとも高くなるピークの時間帯に体を動かすと、上昇を抑える効果があり、インスリンの働きを助けることにもつながるのです。
激しいスポーツをする必要はなく、近所を少し歩いたり、キビキビと掃除をおこなったりするだけでも十分です。
6-4.白米やパンは低GI食品へ置き換える
普段食べている白米や食パンを、玄米や全粒粉パン、蕎麦といった低GI食品に置き換えると、同じ量でも食後の血糖値上昇を抑えられます。精製されていない茶色い炭水化物は食物繊維やミネラルが豊富に残っており、消化吸収に時間がかかるため、腹持ちが良く次の食事まで空腹を感じにくくなります。
いきなりすべて変えるのが難しい場合は、白米に雑穀を混ぜて、無理のない範囲で少しずつ取り入れてみましょう。
6-5.夕食は寝る3時間前までに済ませる
夕食は就寝する3時間前までには済ませておくのが理想的で、寝ている間の高血糖状態を防ぎ、睡眠の質を高めて翌日の体調を整えるためにも重要です。食べてすぐ寝ると、摂取したエネルギーが消費されずに体内に残り、血糖値が高いまま長時間過ごすことになって血管へのダメージが蓄積します。
仕事で帰宅が遅くなる場合は、夕方におにぎりを軽く食べておき、帰宅後は消化の良いおかずだけにする分食をおこなうのがおすすめです。
7.まとめ
血糖値を下げる効果が期待できる飲み物は、緑茶やコーヒー、トマトジュースなど身近なものであり、毎日の食事と一緒に取り入れるだけで糖の吸収を穏やかにしてくれます。これらは薬のような即効性はありませんが、飲むタイミングや適量を守って継続すると、血糖値の急上昇を防いで糖尿病のリスクを減らすサポーターとなるのです。
まずは自分の好みに合う飲み物を見つけて習慣化し、無理のない範囲で健康管理を始めてみると、将来の体調や数値の改善につながるでしょう。
浅草橋西口クリニックMoでは、糖尿病専門医としての豊富な経験をもとに、患者様のライフスタイルや食の好みに合わせた、無理なく続けられる食事指導と生活習慣の改善サポートをおこなっております。血糖値のコントロールや将来の健康についてご不安な方は、ぜひお気軽にご相談ください。
