
つばを飲み込むのも辛いほどの喉の痛みと、急な高熱。扁桃炎の症状がでているあなたが今一番知りたいのは、「扁桃炎って人ににうつるの?」ということではないでしょうか。
とくに、若い方が扁桃炎になったときは、キスや性行為でもうつるのかも気になるかと思います。
そこでこの記事では、以下の内容を解説していきます。
- 扁桃炎の概要
- 扁桃炎はうつるのか
- 扁桃炎の治療や予防法
ご自身が扁桃炎にかかり周囲への影響が気になっている方は、ぜひ最後までご覧ください。
1.扁桃炎とは?

扁桃炎とは、喉の奥の左右にあるリンパ組織の集まりである「扁桃(へんとう)」が、細菌やウイルスの感染によって炎症を起こした状態です。
扁桃は、鼻や口から体内に侵入する病原体を防ぐ、免疫の関所のような役割を担っています。しかし、風邪や疲れなどで体の抵抗力が落ちると、病原体に負けて炎症を起こし、つらい症状を引き起こします。
1-1.扁桃炎の症状
扁桃炎の主な症状は、以下の4つです。
- 喉の痛み
- 発熱
- 咳
- 頭痛や体のだるさ
なかでも喉の強い痛みや発熱が中心ですが、原因となる病原体によって、様々な症状を伴います。それぞれの症状について、詳しく見ていきましょう。
1-1-1.喉の痛み
扁桃炎の最も代表的な症状が、つばを飲み込むのもつらくなるほどの喉の強い痛みです。炎症によって扁桃が赤くパンパンに腫れあがるため、食べ物や飲み物が通るたびに強い痛みを感じます。
鏡で口の中を見ると、喉の両脇が赤く大きく腫れていたり、白い膿が付着していたりするのが確認できる場合があります。
1-1-2.発熱
喉の痛みと同様に、38度から40度近い高熱が出るのも扁桃炎の一般的な症状です。とくに、細菌性の扁桃炎(溶連菌など)では、急激な高熱や、寒気、震えを伴うことが多いです。
熱が上がることで、頭痛や体のだるさといった全身の症状も同時に現れます。
1-1-3.咳
扁桃炎では、喉の炎症による刺激で、乾いた咳や痰が絡む咳が出ることがあります。ただし、咳や鼻水といった風邪の症状は、細菌性よりも、ウイルス性の扁桃炎の場合により多く見られる傾向があります。
咳がひどくなると、喉の炎症をさらに悪化させてしまう悪循環にもなりかねず注意が必要です。
1-1-4.頭痛や体のだるさ
高熱に伴って、ズキズキとした頭痛や、体中の関節が痛むような倦怠感が現れます。これらは、体が病原体と戦うために、免疫物質を全身に放出することで起こる正常な生体反応です。
熱が下がり炎症が治まってくると、これらの症状も自然と軽快していきます。
1-2.扁桃炎の原因
扁桃炎の原因は、大きく分けて「ウイルス性」と「細菌性」の2種類があります。
ウイルス性の場合は、風邪の原因となるアデノウイルスや、EBウイルスなどが代表的です。一方細菌性の場合は、溶連菌や肺炎球菌、インフルエンザ菌などが主な原因菌となります。
また、免疫力の低下、過度なストレス、または睡眠不足といった要因も感染リスクを高め、再発性の慢性扁桃炎を引き起こす原因となります。
1-3.合併症の危険性
扁桃炎は、単なる喉の風邪とあなどってはいけません。
扁桃炎の原因となる溶連菌は、子どもだけでなく大人も感染する細菌です。溶連菌感染症の恐ろしい点は、リウマチ熱や急性糸球体腎炎などの深刻な二次合併症を招く可能性があることです。
感染が確認されたら、速やかに対処しなければなりません。
2.扁桃炎はうつる?
結論として、扁桃炎の原因が細菌やウイルスである場合、その病原体が咳やくしゃみ、あるいは接触によって他人にうつる可能性は十分にあります。
ただし、扁桃炎そのものがうつるのではなく、あくまで原因となる「病原体」がうつるということです。うつった相手が必ずしも扁桃炎を発症するとは限らず、普通の風邪や、別の症状として現れる場合もあります。
2-1.一般的な感染の仕方
扁桃炎の原因となる病原体の一般的な感染の仕方は、主に「飛沫感染」と「接触感染」の2つです。どちらも日常生活の中で容易に起こりうる感染経路であるため、とくに家族や職場の同僚など、身近な人にうつさないための配慮が必要になります。
それぞれの感染経路について、詳しく見ていきましょう。
2-1-1.飛沫の拡散によりうつる
飛沫感染とは、扁桃炎にかかっている人の咳やくしゃみ、あるいは会話中に飛ぶ小さな唾液のしぶきに含まれるウイルスや細菌を、周囲の人が吸い込むことで感染する経路です。
閉め切った室内をはじめ、換気が不十分な場所ではとくに感染のリスクが高まります。扁桃炎の症状がある場合は、マスクを正しく着用することが、周囲への感染を防ぐ最も重要なマナーです。
2-1-2.接触によりうつる
接触感染とは、病原体が付着したドアノブ、タオル、食器などを介して、間接的に感染する経路です。
たとえば、扁桃炎に罹患した方が咳やくしゃみを手で押さえ、その手で触れたものにウイルスや細菌が付着します。その場所を別の人が触れ、さらにその手でご自身の鼻や口に触れることで、体内に病原体が侵入するという流れです。
こまめな手洗いや、タオルの共用を避けることが、接触感染の予防に繋がります。
2-2.キスによってうつる可能性がある
結論として、キスによって扁桃炎の原因菌がうつる可能性は十分にあります。扁桃炎はウイルスや細菌による感染症であり、これらの病原体は感染者の唾液に高濃度で含まれていると考えられるためです。
とくにウイルス性の扁桃炎は、風邪などと同様に飛沫や接触で感染が広がります。そのため、キスによる直接的な唾液の接触は、パートナーに病原体をうつしてしまう非常に感染リスクの高い行為です。
症状がある間はもちろん、症状が治まった直後も、しばらくは濃厚な接触を避けるのが賢明です。
2-3.性行為によってうつる可能性がある
扁桃炎そのものが、性行為によって直接うつることは通常ありません。扁桃炎の主な感染経路は、あくまで咳やくしゃみによる「飛沫感染」や、唾液・手指などを介した「接触感染」です。
ただし注意すべき点として、性行為が原因で、扁桃炎ではなく「咽頭炎」が発症する場合があります。これは、淋病やクラミジアといった性感染症(STD)が、オーラルセックスなどによって喉に感染するためです。
この場合、喉の痛みや腫れといった、扁桃炎とよく似た症状が現れますが、病気としては「淋菌性咽頭炎」や「クラミジア咽頭炎」であり、これらは性行為でうつる病気です。
3.扁桃炎の治療について

扁桃炎の治療について、「治療法」および「症状が回復するまでの期間」を解説していきます。
3-1.扁桃炎の治療法
扁桃炎の治療法は、症状を和らげる「対症療法」と、原因菌を叩く「原因療法(抗生物質)」、そして根本的な解決を目指す「手術療法」の3つに大別されます。
多くの場合、まずは薬物療法で炎症を抑えることから治療が始まります。
3-1-1.薬物療法
ウイルス性の扁桃炎の場合は、ウイルスに直接効く薬はありません。そのため、喉の痛みや熱を下げる鎮痛解熱剤や、うがい薬などを使った「対症療法」が中心となります。
一方、溶連菌などの細菌性が原因の場合は、これらの対症療法に加え、原因菌を殺すための抗生物質が処方されます。
症状が良くなっても、処方された抗生物質は必ず最後まで飲み切ることが重要です。
3-1-2.手術療法
もし、扁桃炎を年に4回以上も繰り返すような場合(習慣性扁桃炎)や、炎症がひどく呼吸や食事が困難になるような場合は、根本的な治療として、扁桃そのものを摘出する「手術療法」が検討されます。
手術は全身麻酔下でおこなわれ、1週間から10日程度の入院が必要となるのが一般的です。手術によって、扁桃炎を繰り返すという悩みから根本的に解放されることが期待できます。
3-2.症状が回復するまでの期間
扁桃炎の症状が回復するまでの期間は、原因や重症度によって異なりますが、一般的には1週間から10日程度が目安です。
ウイルス性の場合は、十分な休養と水分補給を心がけることで、数日程度で熱が下がり徐々に快方に向かいます。細菌性の場合でも、抗生物質を飲み始めると、通常1日から2日程度で熱や喉の痛みは劇的に改善することが多いです。
4.扁桃炎の予防法
扁桃炎の予防法は、病原体を体内に侵入させない「基本的な感染対策」と、病原体に負けない体を作る「免疫力の維持」の2つが基本です。
- 手洗いをこまめにおこなう
- うがいを習慣にする
- 咳やくしゃみをする際に口と鼻を覆う
- 免疫力を高めるために規則正しい生活を心がける
- 栄養バランスの取れた食事を摂る
- 喉が乾燥しないように十分な水分補給をする
- 人混みや感染者との接触を避ける
- 風邪やインフルエンザを予防するためにワクチン接種を受ける
- 喉に負担をかけないように過度な声の使用を避ける
- 睡眠を十分にとり、体調管理をしっかりおこなう
扁桃炎は、風邪や疲れ、ストレスなどで体の抵抗力が落ちたときに発症しやすくなります。日々の生活習慣を見直し、扁桃に負担をかけない生活を心がけることが、最も効果的な予防に繋がります。
5.まとめ
この記事では、扁桃炎がうつるのかという疑問を中心に、その原因や症状、感染経路、そして治療法までを詳しく解説しました。
扁桃炎は、原因がウイルスや細菌である場合、咳やキス、タオルの共用などでうつる可能性があります。早く治すためには、十分な休養と、原因に合った適切な治療が不可欠です。日頃から手洗いやうがいを徹底し、免疫力を高めて、つらい扁桃炎を予防しましょう。
浅草橋西口クリニックMoでは、淋菌性咽頭炎・クラミジア咽頭炎に対するうがい液検査も実施できます。
扁桃炎でお困りの際は、悪化する前に是非当院にご相談ください。
