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痩せていても糖尿病になる原因・リスク | 対策法や予防法も紹介

2025.12.19

「太っていないから、自分は糖尿病とは無縁だ」と安心していませんでしたか?しかし、健康診断の結果を見て、BMIは標準以下なのに血糖値やHbA1cの数値が悪化しており、「なぜ?」と不安や疑問を持つ方も少なくありません。

「糖尿病=肥満」というのは誤解です。とくに日本人は、痩せ型であっても、デスクワークによる運動不足や、パンやおにぎりだけで済ませる偏った食生活が続くと、糖尿病リスクが高まります。

「痩せているから大丈夫」ではなく、筋肉量が少ないからこそ、血糖値を下げにくい体質になっている場合があります。

本記事では、痩せていても糖尿病になる原因を解説します。

忙しい毎日でも実践できる食事の際のポイントや、筋肉をつけるためのトレーニング法もご紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。

 

1.糖尿病は痩せている人でもなる?

痩せている人でも糖尿病になります。一般的なイメージでは糖尿病は太っている人がなる病気と思われがちですが、日本人を含むアジア人は体質的にインスリンを分泌する力が弱いため、痩せていても糖尿病を発症するリスクが十分にあります。

太っていないからといって安心せず、食生活や運動習慣に気をつけるのが大切です。定期的な検診で数値をチェックしましょう。

1-1.痩せ型の定義

一般的に痩せ型とは、BMI(体格指数)が18.5未満の状態のことです。BMIは、体重(kg)を身長(m)で2回割って計算する数値で、肥満度を判定する国際的な基準として使われています。

たとえば身長160cmの方である場合、体重47kg未満の人が瘦せ型に該当します。ただし、糖尿病のリスクを考える際は、BMIが25未満の標準体重の人も含めて、太っていないのに血糖値が高い非肥満型として注意が必要です。

1-2.痩せ型の人でもかくれ肥満の人はいる

見た目は痩せていても、お腹の内臓周りに脂肪がついているかくれ肥満の人はいます。かくれ肥満は、運動不足で筋肉量が少なく、代わりに体脂肪の割合が高い状態です。

体重やBMIが標準以下であっても、内臓脂肪が多いとインスリンの効きが悪くなり、血糖値が上がりやすくなってしまいます。痩せているから健康だと思い込まず、体脂肪率や筋肉量にも目を向けて、バランスの良い体づくりをおこなうのが重要です。

 

2.痩せているのに糖尿病にかかる原因・理由

痩せているのに糖尿病にかかる原因・理由は、以下の7つです。

  • 筋肉量が少ない
  • インスリン分泌能力が弱い
  • 見た目は細くても内臓脂肪がついている
  • 筋肉や肝臓に脂肪がたまっている
  • インスリン抵抗性が増大している
  • 極端な食事制限や運動量不足である
  • 親や兄弟に糖尿病の方がいる

1つずつご紹介します。

2-1.筋肉量が少ない

筋肉量が少ないと、体のなかでブドウ糖を消費する場所が減るため、血糖値が高くなりやすく、痩せていても糖尿病になるリスクがあります。

筋肉は、血液中のブドウ糖を取り込んでエネルギーとして使う貯蔵庫であるため、筋肉が少ないと食後に増えた糖を処理しきれず、そのまま血液中に残ってしまうのです。とくに運動不足で筋肉が衰えている人は、痩せていても糖の代謝が悪くなり、糖尿病のリスクが高まる原因となります。

2-2.インスリン分泌能力が弱い

日本人は遺伝的に、血糖値を下げるホルモンであるインスリンを分泌する能力が欧米人の半分程度しかありません。そのため、痩せていても、わずかな脂肪がついたり生活習慣が乱れたりするだけで、インスリンの量が足りなくなる場合があります。

インスリンが出にくい体質の人は、食事から摂った糖をうまく処理できず、痩せていても血糖値が上がりやすいです。痩せていても糖尿病を発症するのは生まれ持った体質が影響してしている可能性があります。

2-3.見た目は細くても内臓脂肪がついている

体重や体型は標準的でも、お腹のなかに内臓脂肪が蓄積している、かくれ肥満の人は糖尿病になりやすいです。内臓脂肪が増えすぎると、インスリンの働きを妨げる悪玉物質が分泌され、血糖値が下がりにくくなります。

見た目が痩せているからといって安心はできず、内臓脂肪レベルが高いと肥満の人と同じように糖尿病のリスクを抱えることになります。

2-4.筋肉や肝臓に脂肪がたまっている

痩せている人のなかには、皮下脂肪や内臓脂肪だけでなく、筋肉や肝臓といった本来たまるべきではない場所に異所性脂肪がたまっているケースがあります。異所性脂肪は第三の脂肪とも呼ばれ、少量でも毒性が強く、インスリンの効き目を著しく悪くする脂肪です。

日本人は皮下脂肪をためる能力が低く、あふれた脂肪が筋肉や内臓にたまりやすいため、痩せていても糖尿病を発症する原因の一つといえます。

2-5.インスリン抵抗性が増大している

痩せている人でも、運動不足による筋肉の質低下や、前述した異所性脂肪の蓄積によって、インスリン抵抗性が増大する場合があります。インスリン抵抗性とは、インスリンは分泌されているのに、インスリンの効き目が悪くしている状態です。

インスリンが効かないと、膵臓は無理をしてさらに多くのインスリンを出そうとして、やがて疲弊して分泌量が減り、血糖値のコントロールができなくなります。

2-6.極端な食事制限や運動量不足である

若いころからの極端な食事制限によるダイエットや慢性的な運動不足は、筋肉量を減らし、糖尿病を招く原因です。

食事を減らして体重を落とすと、脂肪だけでなく筋肉も一緒に落ちます。その状態でリバウンドをすると、脂肪だけが増えて筋肉は戻らず、体脂肪率が高く代謝の悪い体になってしまうのです。また、運動不足はブドウ糖の消費量を減らすため、痩せていても高血糖になりやすい体質を作ります。

2-7.親や兄弟に糖尿病の方がいる

糖尿病の発症には遺伝的な要因も関わっており、親や兄弟に糖尿病の人がいる場合は、痩せていても発症するリスクが高くなります。親や兄弟に糖尿病の人がいると、インスリンの分泌能力が弱いといった体質を受け継いでいる可能性が高いです。そのため、家族歴がある人は、痩せていても糖尿病予備軍である意識を持ち、定期的な検診を受けるのが大切です。

遺伝的な素因に生活習慣の乱れが加わると、発症の引き金となるため注意しましょう。

3.痩せている人が糖尿病にかかるリスク

痩せている人が糖尿病にかかるリスクは、以下の6つです。

  • 糖尿病の三大合併症が進行する
  • 脳卒中や心筋梗塞のリスクが高まる
  • 身体機能が低下する
  • 食後高血糖により血管が傷つく
  • 感染症にかかりやすくなる
  • 「痩せているから大丈夫」という油断により発見が遅れる

1つずつ解説します。

3-1.糖尿病の三大合併症が進行する

痩せていても高血糖の状態が続くと、糖尿病特有の三大合併症が進行するリスクがあります。三大合併症とは、以下の3つを指す総称です。

  • 神経障害
  • 網膜症
  • 腎症

細い血管が集まる場所に障害が起きるのが三大合併症の特徴です。具体的には、手足のしびれや視力の低下、最悪の場合は人工透析が必要になるリスクもあります。痩せている人はインスリンの分泌量が少ない傾向にあり、食後の血糖値が高い状態が続きやすいため、自覚症状がないまま合併症が進行しているケースもあるため注意しましょう。

3-2.脳卒中や心筋梗塞のリスクが高まる

糖尿病は動脈硬化を進行させ、脳卒中や心筋梗塞といった命に関わる病気のリスクを高めます。

血糖値が高い状態の血液はドロドロとしており、血管の内側を傷つけて硬く狭くしてしまいます。痩せている人は一見健康そうに見えますが、筋肉量が少ないと糖の代謝が悪くなり、食後の血糖値が急上昇しやすいです。そのため、血糖値の急激な変化が血管に負担をかけ、動脈硬化を加速させてしまうのです。

太っていなくても血管に負担をかけるリスクは変わらないと認識しておきましょう。

3-3.身体機能が低下する

痩せ型の糖尿病患者は、筋肉が減少して身体機能が低下するサルコペニアになるリスクが高いです。

インスリンには筋肉の合成を助ける働きがありますが、糖尿病ではインスリンの働きが弱まるため、筋肉がつきにくく落ちやすくなります。もともと筋肉が少ない痩せ型の人がさらに筋肉を失うと、足腰が弱くなり、転倒や骨折をしやすくなるフレイル(虚弱)の状態に陥りやすくなります。

少ない筋肉量や糖尿病の状態を放置すると、将来的に寝たきりになるリスクも高まるため注意しましょう。

3-4.食後高血糖により血管が傷つく

痩せている人は食後高血糖を起こしやすく、それによって血管が傷つきやすくなります。食後血糖は食事のあとに短時間だけ血糖値が急上昇する現象で、健康診断の空腹時検査では見つかりにくいのが特徴です。

痩せ型の人は糖を蓄える筋肉が少ないため、食事で摂った糖があふれて血糖値が乱高下しやすくなります。血糖値の急激な変動は血管の内側の壁を直接傷つけ、動脈硬化の原因となる活性酸素を発生させるため、血管の老化を早めるリスクがあります。

3-5.感染症にかかりやすくなる

糖尿病で高血糖の状態が続くと、免疫機能が低下して感染症にかかりやすいです。免疫機能が低下するのは、血液中の糖分が多いと、細菌やウイルスと戦う白血球の働きが弱まるのが原因です。また、痩せている人は栄養状態が十分でない場合もあり、体の抵抗力が落ちている場合もあります。

風邪やインフルエンザが治りにくかったり、肺炎といった重篤な感染症にかかったりするリスクが高まるため、日頃から血糖値のコントロールと感染対策を心がけましょう。

3-6.「痩せているから大丈夫」という油断により発見が遅れる

痩せているから糖尿病にはならないという思い込みが、糖尿病の発見を遅らせて重症化を招きます。一般的に糖尿病は肥満の人がなる病気と思われやすいですが、日本人は遺伝的にインスリン分泌が弱い人が多く、痩せていても発症するケースが少なくありません。

痩せているかたと油断して健康診断を受けなかったり、少しの不調を放置したりしている間に病気が進行するリスクがあります。自覚症状が出たときにはすでに合併症が進んでいる場合もあるため、体型に関わらず糖尿病には注意が必要です。

4.痩せている人が糖尿病にならないための対策・予防法

痩せている人が糖尿病にならないための対策・予防法は、以下の5つです。

  • 適度な運動で筋肉量を増やす
  • 栄養バランスの良い食事を摂る
  • 極端な糖質制限は避けて糖値が上がりにくい食べ方を意識する
  • 食後すぐに軽い有酸素運動をおこなう
  • ストレスや睡眠不足を解消する

1つずつ見ていきましょう。

4-1.適度な運動で筋肉量を増やす

糖尿病予防には、スクワットや腕立て伏せなどの筋トレ(レジスタンス運動)をおこない、筋肉量を増やすのが効果的です。

筋肉が増えると、血液中のブドウ糖を多く取り込めるようになり、食後の血糖値が上がりにくくなります。とくに太ももやお尻など、下半身の大きな筋肉を鍛えると効率よく糖を代謝できます。週に2〜3回程度、無理のない範囲で続けると、インスリンの効きが良い体質へと変わっていくでしょう。

4-2.栄養バランスの良い食事を摂る

筋肉を維持し血糖値を安定させるために、主食・主菜・副菜が揃った栄養バランスの良い食事を心がけてください。

痩せている人は食事量が少なかったり、栄養が偏っていたりする場合があり、エネルギー不足で筋肉が分解されるリスクがあります。筋肉の材料となる肉や魚、大豆製品などのタンパク質を毎食しっかり摂るのが大切です。野菜や海藻類も組み合わせ、体に必要な栄養素を過不足なく取り入れましょう。

4-3.極端な糖質制限は避けて糖値が上がりにくい食べ方を意識する

痩せ型の人は、極端な糖質制限をするのではなく、血糖値が上がりにくい食べかたを意識するのが大切です。炭水化物を抜きすぎるとエネルギー不足になり、かえって筋肉が落ちるリスクがあります。

食事の際は、野菜から先に食べるベジファーストを実践したり、白米を玄米に変えたりする工夫が効果的です。糖質の吸収を穏やかにして、インスリンへの負担を減らす食べかたを習慣にしましょう。

4-4.食後すぐに軽い有酸素運動をおこなう

食後の血糖値上昇を抑えるには、食事の直後にウォーキングといった軽い有酸素運動をおこなうのがおすすめです。食べてすぐに体を動かすと、血液中の糖が筋肉のエネルギーとしてすぐに使われるため、血糖値の急上昇を防げます。

激しい運動である必要はなく、散歩をしたり、家事でお皿洗いや掃除をしたりする程度でも効果的です。食後1時間以内に体を動かす習慣をつけると、血管へのダメージも軽減できます。

4-5.ストレスや睡眠不足を解消する

血糖値を正常に保つためには、ストレスを溜め込まず、十分な睡眠をとって自律神経を整えましょう。強いストレスや睡眠不足が続くと、交感神経が優位になり、血糖値を上げるホルモンが分泌されます。また、睡眠の質が悪いとインスリンの働きが低下し、血糖値が下がりにくくなるのです。

糖尿病を予防するためにも、リラックスする時間をつくり、規則正しい生活を心がけてください。

 

5.まとめ

痩せていても糖尿病になる可能性は十分にあり、とくに日本人は遺伝的にインスリンの分泌能力が低いため、筋肉量が少ない痩せ型の人こそ注意が必要です。

痩せていても糖尿病を発症する原因としては、運動不足によって糖を消費する筋肉が減ってしまうことや、見た目は細くても内臓脂肪が蓄積しているかくれ肥満、パンや麺類に偏った食生活などが挙げられます。

糖尿病の予防や改善には、単に食事を減らすのではなく、筋トレを取り入れて筋肉を増やしたり、野菜から食べるベジファーストを実践したりするのが効果的です。「痩せているから大丈夫」という油断を捨てて、今のうちから筋肉をつける生活習慣に切り替えましょう。

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