
「粉瘤とはどんな病気?」「粉瘤ができやすい人ってどんな人?」といった疑問を持っていませんか?粉瘤は、治療を受けない限り治ることはありません。そのため、粉瘤に対する知識をつけておき、粉瘤ができたときに正しく対処できるようにしておくことが大切です。
そこでこの記事では、以下の内容を解説しています。
- 粉瘤の基礎知識
- 粉瘤ができやすい人の特徴
- 粉瘤ができたあとの治療方法
- 粉瘤の予防法
記事の後半では、粉瘤と間違えやすい皮膚の疾患についても解説しています。粉瘤をはじめとする皮膚疾患を正しく理解するためにも、ぜひ最後までご覧ください。
1.粉瘤とは?
粉瘤は皮膚の下に袋状の腫瘤ができる、基本的には良性の疾患です。粉瘤は袋のなかに角質や皮脂が蓄積されることで形成されます。
一般的にアテロームとも呼ばれ、大きさは数ミリから数センチ程度です。
1-1.粉瘤とは
粉瘤には、以下のような症状が挙げられます。
- 中央に黒い点がある
- 触ると柔らかく可動性がある
- ゆっくり大きくなる
- 臭いがすることがある
- 特有の臭いを持つ白色のペースト状の内容物が出てくる
- 炎症を起こすと痛みや腫れが出る
- 自然に治りにくい
粉瘤は皮膚の下にできる良性のしこりで、見た目はニキビに似ていますが自然治癒が困難で、放置すると炎症を起こす場合があります。「上記の特徴に当てはまるかも」と感じた方は、早めに医療機関を受診しましょう。
1-2.粉瘤ができる原因
粉瘤の正確な発生メカニズムは完全には解明されていませんが、主な要因として「毛包の閉塞」「外傷」「遺伝的要因」などが考えられています。
粉瘤は、皮膚の清潔度とは直接的な関係がありません。むしろ、体質や年齢、ホルモンバランスなどの内的要因が影響していると考えられています。そのため、清潔にしていても発症することがあり、反対に衛生状態が悪くても発症しない人もいます。
1-3.粉瘤ができやすい部位
粉瘤は理論上、皮膚があるどの部位にも発生する可能性があります。ですが実際には、「顔・頭皮・首・耳の周り・背中・胸部」といった特定の部位にできやすいです。
これらの部位に共通する特徴として、皮脂腺が多く存在することや、衣服などによる摩擦を受けやすい点が挙げられます。ただし個人差も大きく、全く異なる部位に発生することもあるので、定期的に自身の体をチェックしましょう。
1-4.粉瘤を放置するリスク
粉瘤は基本的に良性の腫瘍ですが、放置することで以下のようなリスクが生まれます。
- 粉瘤が大きくなると、目立ちやすくなり、日常生活で不快感を感じる
- 老廃物が溜まることで悪臭を放つ
- 細菌が侵入することで腫れや痛みが生じ、膿が出てくる
このような症状が現れた場合、粉瘤が悪化している可能性が高いため、病院で早急に処置してもらいましょう。
また、非常にまれではありますが、粉瘤が癌化する報告も存在します。特に中高年の男性に多く、頭部や首、お尻などにできた粉瘤が癌化しやすいとされています。
初期段階では白色や肌色であることが多い粉瘤も、進行するにつれて黄色や黒色、青色に変色することがあるため、見た目の変化を確認してください。
2.粉瘤ができやすい人の特徴
粉瘤は誰にでもできる皮膚の疾患ですが、一部以下のような方にできやすいといわれている人もいます。
- 男性
- ニキビなど毛穴まわりの炎症が起こりやすい人
- 皮膚に摩擦・圧迫・外傷が加わりやすい人
- 若年〜中年の成人
- 多発しやすく遺伝的背景が疑われる人
それぞれ解説していきます。
2-1.男性
男性は女性に比べて粉瘤ができやすい傾向があります。これは、男性ホルモンが皮脂の分泌を促進し、毛穴が詰まりやすくなるからです。特に、背中や首、耳の後ろなど皮脂の分泌が多い部位で粉瘤が発生しやすいです。
2-2.ニキビなど毛穴まわりの炎症が起こりやすい人
ニキビなど毛穴の炎症が起こりやすい人は、粉瘤ができやすい傾向にあります。炎症によって毛穴の出口が塞がれると、内部に老廃物が閉じ込められやすくなるため、袋状の構造が形成され、粉瘤へと進行する場合があります。
肌トラブルを繰り返している人は、早めのケアが重要です。
2-3.皮膚に摩擦・圧迫・外傷が加わりやすい人
皮膚に繰り返し摩擦や圧迫、外傷が加わる人も粉瘤ができやすい傾向があります。衣類のこすれやバッグの肩紐、スポーツによる刺激などが原因で皮膚の内部にダメージが蓄積し、角質が入り込んで粉瘤が形成される場合があるのです。
日常的な刺激を減らし、肌への負担を軽減するのが粉瘤の予防につながります。
2-5.若年〜中年の成人
若年から中年の成人の方は、粉瘤ができやすい傾向にあります。若年から中年は皮脂分泌が活発であり、毛穴詰まりが起こりやすい状態です。
とくに生活習慣の乱れやストレスも影響しやすく、皮膚トラブルが増えると粉瘤の発生リスクも高まるため注意が必要です。
2-6.遺伝や体質の影響を強く受けている人
遺伝や体質も、粉瘤の発生に関係しています。家族に粉瘤ができやすい人がいる場合、皮脂分泌の多さや毛穴の構造など、生まれつきの要因が影響するため、同じように粉瘤ができやすい傾向があります。何度もできる場合は自己判断せず、医療機関で原因を確認し適切な対処をおこなうのが重要です。
3.粉瘤の見分け方
粉瘤とそのほかの皮膚疾患を見分けたいときは、以下のような粉瘤によくある特徴がないかを確認してみてください。
- 中心に黒い点がある
- 痛みをともなわない
- ゆっくりと大きくなっている
- ニキビよりは大きさがある
粉瘤の見分け方についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
粉瘤の見分け方とは?粉瘤とニキビ・イボ・せつ・脂肪腫・痔ろうの違い
4.粉瘤と間違えやすい皮膚の疾患
粉瘤の特徴や治療について解説をしてきましたが、皮膚疾患の中には粉瘤と間違えやすいものも多いです。ここからは、粉瘤と間違えやすい4つの皮膚疾患について解説していきます。
- ニキビ
- 脂肪腫
- せつ
- 化膿性汗腺炎
それぞれの特徴を見ていきましょう。
4-1.ニキビ
ニキビは、過剰な皮脂分泌やアクネ菌の増殖、毛穴の詰まりが原因で顔にできることが多いですが、胸や背中にも発生することがあります。ニキビはそれほど大きくなることはなく、対して粉瘤は大きくなりやすいため簡単に見分けられるでしょう。
また、粉瘤は老廃物が溜まっているため、圧迫すると強い臭気を発することがあります。炎症が起きた場合には、触れなくても悪臭が感じられることがあり、これもニキビとの大きな違いです。
4-2.脂肪腫
脂肪腫は脂肪細胞からなる良性腫瘍で、粉瘤に比べると柔らかく、弾力があります。脂肪腫は周囲の組織と皮膜で分離しており、指で押すと皮膚とは別に動きます。
脂肪腫は特に40歳から60歳の男性に多く見られ、刺激を受けやすい場所にできることが多いです。原因ははっきりしていませんが、多発することもあるため、注意が必要です。
4-3.せつ
せつ(おでき)は、肥満体型の人や高齢者、糖尿病患者にできやすい皮膚疾患で、細菌感染が原因で発生します。治療せずに放置すると、膿が溜まり、痛みや赤み、発熱を引き起こす可能性があるため注意してください。
4-4.化膿性汗腺炎
化膿性汗腺炎は、汗腺が感染して膿が溜まる疾患で、痛みや赤みを伴うおできが繰り返しできるのが特徴です。
太もものつけ根やワキの下、乳首、お尻など、汗をかきやすい部位に発生しやすく、赤いブツブツや硬い皮膚、蜘蛛の巣状の見た目になることも。特に20代から40代の人に多く見られます。症状が進行すると日常生活にも影響を及ぼすため、早めの治療を受けることが大切です。
5.粉瘤ができたあとの治療方法
粉瘤は状態によって適切な治療方法が異なります。小さく無症状のものから、炎症や感染を起こしたものまで対応はさまざまです。放置や自己処理は悪化の原因になるため、症状に応じた対処を知るのが大切です。
ここでは粉瘤ができたあとの主な治療方法を解説します。
5-1.経過観察でよい場合
痛みや腫れがなく小さい粉瘤は、経過観察で問題ない場合があります。粉瘤は良性の腫瘍であるため、症状がなければ急いで治療をおこなう必要はありません。
ただし徐々に大きくなる場合や違和感が出てきた場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
5-2.炎症や感染がある場合の対応
炎症や感染を起こしている粉瘤は、まず炎症を抑える治療が優先されます。赤く腫れて痛みがある場合は、抗生物質の内服や切開して膿を出す処置がおこなわれます。
粉瘤を無理に押し出すと悪化するリスクがあるため、自己処理は避け医師のもとで適切な処置を受けてください。
5-3.根治を目指す切除治療
粉瘤を根本から治すには、袋ごと取り除く切除手術が必要です。内部の袋が残ると再発する可能性があるため、完全に摘出するのが重要です。
粉瘤の切除治療は、局所麻酔で日帰り手術が可能な場合が多く、炎症が落ち着いたタイミングで治療をおこなうと、傷跡もきれいに治りやすくなります。
6.粉瘤を悪化させない方法
粉瘤を悪化させないためには、無理に触ったり放置したりせず、早めに対処するのが重要です。具体的な対処法としては、以下の5つの方法が挙げられます。
- 肌を清潔に保ち角質の詰まりを防ぐ
- ニキビや毛穴を無理に潰さない
- 摩擦や圧迫などの外部刺激を避ける
- 規則正しい生活で肌の代謝を整える
- 気になるしこりは早めに皮膚科へ相談する
ひとつずつ確認していきましょう。
6-1.肌を清潔に保ち角質の詰まりを防ぐ
まずは肌を清潔に保つのが、粉瘤を予防する基本です。毛穴に皮脂や角質が溜まると袋状の構造ができやすくなり、粉瘤の原因になります。毎日の洗顔で余分な皮脂や汚れを落とし、毛穴の詰まりを防ぐのが大切です。
ただし、肌を強くこすりすぎると逆に刺激となるため、泡でやさしく洗うのがポイントです。洗顔後は保湿をおこない、乾燥による角質の厚みを防ぐと、粉瘤をより効果的に予防できます。
6-2.ニキビや毛穴を無理に潰さない
粉瘤を予防するためには、できものを無理に潰さないようにしましょう。ニキビや毛穴の詰まりを指で押し出すと、皮膚の内部にダメージが加わり、袋状の構造が形成されやすくなります。また、細菌が入り込むと炎症が悪化し、粉瘤につながるリスクも高まります。
できものが気になる場合自己は処理は避け、必要に応じて皮膚科で適切な処置を受けてください。
6-3.摩擦や圧迫などの外部刺激を避ける
肌への刺激を減らすのも、粉瘤予防に効果的です。摩擦や圧迫が続くと皮膚が傷つき、そこから袋状の構造ができる場合があります。たとえばマスクの擦れや衣類の締め付け、頬杖などの癖が例として挙げられます。
粉瘤を防ぐには、日常生活で肌に触れるものを見直し、できるだけ負担を減らすのが大切です。
6-4.規則正しい生活で肌の代謝を整える
生活習慣を整えると肌の代謝が安定し、粉瘤の予防につながります。睡眠不足や偏った食事は肌のターンオーバーを乱し、古い角質が溜まりやすくなるため、毛穴が詰まりやすくなり粉瘤の原因となります。
粉瘤を予防するには、十分な睡眠とバランスの良い食事を心がけ、肌のターンオーバーを整えるのが大切です。
6-5.気になるしこりは早めに皮膚科へ相談する
気になるしこりがある場合は、早めに皮膚科へご相談ください。小さいうちに診察を受けると、炎症が起こる前に適切な対応ができ、治療の負担も軽くなります。
自己判断で放置したり触ったりすると悪化するリスクがあるため、違和感を覚えた段階で専門医に相談するのが安心です。
7.まとめ
粉瘤のメカニズムはすべてが解明されているわけではありませんが、一般的に以下のような人にできやすいとされています。
- 男性
- ニキビなど毛穴まわりの炎症が起こりやすい人
- 皮膚に摩擦・圧迫・外傷が加わりやすい人
- 若年〜中年の成人
- 多発しやすく遺伝的背景が疑われる人
また、肌にできものができたときは中心に黒い点がないか、ゆっくり大きくなっていっているかを確認し、粉瘤かどうかを判断しましょう。
れいめいクリニック浅草橋では、粉瘤をはじめとしたさまざまな皮膚疾患に対しての診療をおこなっています。「皮膚にできものができた」「炎症が起きて痛い」などのお悩みがある方は、ぜひ一度当院へご相談ください。
