擦り傷ができたときに気になるのが、病院に行く目安ではないでしょうか。擦り傷は、場合によっては感染症のリスクや傷跡が残る可能性もあり、病院で適切に処置してもらうことが重要です。
そのためこの記事では、以下の内容を解説していきます。
- 擦り傷で病院に行く目安とは?
- 擦り傷は何科を受診すべき?
- 擦り傷の応急処置手順
記事の後半では、子どもに擦り傷ができたときの対応についても解説しています。擦り傷について正しい対応を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
1.擦り傷とは?
まずは擦り傷について説明をします。擦り傷は、日常生活の中で最も高頻度で経験するケガの1つです。転倒時に手足や顔が地面や壁、物に摩擦してできる浅い傷で、膝、肘、手、顔など露出している部位によくできます。
擦り傷は、神経が皮膚表面に多いため痛みを感じやすいのが特徴です。また、傷口に砂やアスファルトなどの異物が残ると、感染や傷跡の残りやすさなどの問題につながる可能性があります。擦り傷への対応は状況に応じて柔軟におこなう必要がありますが、必要に応じて医療機関の診療を受けることが重要です。
2.擦り傷で病院に行く目安とは?
擦り傷で病院に行く目安について、以下4つのパターンに分けて解説していきます。
- 擦り傷の傷口が深いとき
- 傷口に異物混入や感染症の疑いがあるとき
- 擦り傷だけでなく合併症の可能性があるとき
- 擦り傷がなかなか完治しないとき
一つずつ解説していきます。
2-1.擦り傷の傷口が深いとき
擦り傷のなかには、細かい異物の残存や感染リスクの高いものがあります。傷口が深く、異物の除去が不十分な場合は「外傷性稗粒腫」といった合併症につながる可能性も。
少しでも異物の残留が疑われれば、遠慮なく医療機関を受診しましょう。感染のリスクが高い場合は、抗生剤の投与も検討されます。
2-2.傷口に異物混入や感染症の疑いがあるとき
擦り傷の深さは浅いものから筋肉にまで達するものまで幅広く、いずれも感染症のリスクがあります。特に深刻な場合は画像検査が必要になることもあります。
そのため傷口に異物混入していたり、感染症の疑いがあったりするときは、医療機関での適切な処置を受けることが重要です。処置が遅れると、治癒の遅延や合併症のリスクが高まります。
2-3.擦り傷だけでなく合併症の可能性があるとき
特に顔面の擦り傷の場合は、傷口の管理も大切ですが、転倒があった場合は他の臓器への影響も考慮する必要があります。擦り傷以外にも違和感がある場合や、顔面・頭部など合併症のリスクが高い部位の場合は、医療機関を受診してください。重篤な合併症の早期発見と、適切な治療が大切です。
2-4.擦り傷がなかなか完治しないとき
通常、適切な処置をおこなえば1〜2週間で擦り傷は治癒します。それ以上時間がかかる場合は、何らかの問題が生じている可能性を否定できません。
自分でおこなった処置に問題はないか、感染などの合併症が生じていないか、医療機関で確認してもらいましょう。早期発見と適切な治療が、順調な回復につながります。
3.擦り傷は何科を受診すべき?
擦り傷の治療においては、「皮膚科」「形成外科」「外科」「救急科」を受診しましょう。これらの科では、擦り傷の治療に対して経験豊富です。
また、骨や靭帯の異常が疑われる場合は「整形外科」、内臓損傷が懸念される場合は「救急科」での受診をご検討ください。
3-1.擦り傷に対して病院で何をしてくれる?
擦り傷に対して、実際病院では何をしてくれるのでしょうか。主に、以下3つの処置が実施されます。
- 異物の確認・除去
- 壊死組織や不良肉芽の除去
- 傷口の縫合
それぞれ解説します。
3-1-1.異物の確認・除去
傷口に細かい砂やアスファルトなどの異物が残存していると、治りが悪く傷跡が残りやすくなります。そのため、ブラッシングなどによる丁寧な異物除去がおこなわれます。
3-1-2.壊死組織や不良肉芽の除去
傷のなかに壊死した組織や不良な肉芽がある場合、それらを除去し、皮膚の再生を促すことが重要です。必要に応じて局所麻酔下での処置がおこなわれます。
3-1-3.傷口の縫合
通常の擦り傷では縫合は必要ありませんが、状況によっては創部の一部を縫合閉鎖することで治癒を促進できる場合があります。
医療機関では創部の状態に合わせて適切に処置し、感染予防や早期完治を目指します。必要に応じて画像検査も組み合わせ、総合的な治療計画を立てていきます。
4.擦り傷は応急処置が大切!手順について
擦り傷は病院を受診するよりも前に、応急処置を必ずおこなってください。応急処置には、以下4つの手順で進めましょう。
- 手をよく洗ってから傷口をすすぐ
- 異物があれば取り除く
- 止血する
- 傷口を保護する
それぞれ解説します。
4-1.手順①手をよく洗ってから傷口をすすぐ
擦り傷の処理では、まず手を石鹸でよく洗ってください。汚れた手で傷口に触れると、再び細菌が付着し、感染のリスクが高まります。
手を洗ったら、冷水またはぬるま湯で傷口をよく洗い流しましょう。傷口をすすぐときは水道水で十分であり、特別な滅菌水は必要ありません。
4-2.手順②異物があれば取り除く
傷口の観察をおこない、砂やアスファルトなどの異物が混入していないかを確認します。必要な場合は、ピンセットを使って丁寧に異物を取り除きましょう。
細かな砂粒の場合は、清潔なブラシでブラッシングするのも方法です。ただし、異物を完全に除去できない場合は、医療機関で適切な処置を受けるのも一つの手段です。
4-3.手順③止血する
浅い擦り傷の場合、通常は圧迫止血で出血を抑えることができます。ガーゼなどで傷口を覆い、心臓より高い位置で固定すると、ほとんどの場合止血されます。しかし、深い傷の場合は圧迫止血では止まらない可能性があるため、早期に医療機関を受診してください。
4-4.手順④傷口を保護する
最後に、清潔な状態に保った傷口を、適切に保護します。湿潤療法が効果的ですが、異物の完全除去や感染リスクの低さが前提条件です。自信がない場合は、抗生剤入りの軟膏やワセリンを塗布し、ガーゼで覆うなど、簡単な保護処置も考えられます。
不安がある場合は医療機関に相談し、適切な処置を受けるのがよいでしょう。
5.子どもに擦り傷ができたらどうする?
子どもは活発に遊びますから、転倒やぶつかりによる擦り傷は避けられません。状況に応じた適切な対応が大切です。
まず、出血している場合は清潔なガーゼやハンカチで押さえて止血しましょう。止まったら、皮膚保護剤入りの絆創膏を貼ると良いでしょう。以前は消毒液を使うのが一般的でしたが、不衛生な環境のケガでない限り、現在では消毒は必要ありません。
次に、傷の状態を確認します。深さや異物混入、感染の有無などを見極めます。軽度であれば自己処置で対応できますが、症状が重い場合や改善が見られない場合は、医療機関を受診してください。
特に以下のような場合は、早期の受診が必要です。
- 傷が深く、異物の混入が疑われる
- 感染兆候がある(発熱、患部の腫れや熱感、膿が出るなど)
- 出血が止まらない
- 傷が広範囲にわたる
医療機関では、適切な処置(異物除去、縫合、抗生剤投与など)がおこなわれます。子どもの健康と安全を、何より大切にしましょう。
6.まとめ
擦り傷ができたときは、以下の場合に病院へいきましょう。
- 擦り傷の傷口が深いとき
- 傷口に異物混入や感染症の疑いがあるとき
- 擦り傷だけでなく合併症の可能性があるとき
- 擦り傷がなかなか完治しないとき
擦り傷は、適切に処置をできないと感染症のリスクや傷跡が残る可能性もあります。不安がある場合は、自己判断せずに迷わず病院を受診してください。
浅草橋西口クリニックMoでは、切り傷や擦り傷に対する診断・処置をおこなっています。急な怪我でお悩みの方は、ぜひ当院までご相談ください。
