ふとしたことで怪我をしたとき、擦り傷と切り傷の違いについて気になったことはありませんか?擦り傷と切り傷には、明確に違いがある部分と、共通の特徴を持つ部分があります。そこでこの記事では、以下の内容を解説しています。
- 擦り傷・切り傷とはどんな傷のこと?
- 擦り傷と切り傷の違い
記事の後半では、擦り傷と切り傷の症状を放置する注意点についても解説をしています。擦り傷・切り傷の特徴や正しい応急処置など気になる方は、ぜひ最後までご覧ください。
1.擦り傷・切り傷とはどんな傷のこと?
まずは、擦り傷と切り傷がどのような傷のことを指すのか、それぞれ解説していきます。
1-1.擦り傷とは?
擦り傷とは、皮膚をたとえばアスファルトや壁などにこすりつけられて生じる創傷です。別名「擦過傷」とも呼ばれています。
通常皮膚損傷は浅く、多くの場合縫合せずに治癒します。ですが創面に微細な砂やゴミなどが残留し、治癒後も色素沈着を残すことも。これを「外傷性の刺青」と呼びます。
擦り傷の場合、早期の十分な洗浄とブラッシングによる異物除去が重要です。
1-2.切り傷とは?
切り傷は、ガラス片や刃物などの鋭利なものによって切れた傷のことです。
手足の切創では、比較的浅い層を走行する神経、血管、腱などの損傷を伴いやすく、早期に損傷の有無を確認し、適切な処置を受ける必要があります。
顔面の切創でも、顔面神経や涙小管、耳下腺管などの損傷を伴う場合があり、形成外科的な専門治療が必要となることがあります。また、出血が多い場合は、止血を目的とした縫合処置が必要です。
切創の場合、周囲組織の損傷は軽度であることが多く、縫合処置などにより早期の治癒が可能です。
2.擦り傷と切り傷に違いはある?
では、擦り傷と切り傷に具体的な違いはあるのでしょうか?今回は、以下6つの視点から擦り傷と切り傷の特徴を解説していきます。
- 症状
- 応急処置
- 病院に行く目安
- 治療法
- 治療後の注意点
- 治るまでの期間
それぞれみていきましょう。
2-1.症状
切り傷や擦り傷はどちらも痛みを伴いますが、感染のリスクも共通しています。
感染すると、傷の周囲が赤く腫れ上がり、熱を持つことがあります。更に進行すると、膿を伴う場合もあり、時には38℃を超える発熱が見られることもあります。これらの症状は、傷口に入った細菌による体の反応です。
2-2.応急処置
擦り傷と切り傷の初期対応は、それぞれ以下の手順でおこないます。
2-2-1.擦り傷の応急処置
まずは、傷口に付着した砂や泥などの異物を流水で丁寧に洗い流します。次に、傷口が乾燥しないように、ラップなどで覆い湿潤療法を施します。この際、消毒液の使用は避けることが望ましいです。
2-2-2.切り傷の応急処置
出血が少ない場合には、傷を直接触れないようにしながら流水で洗い、擦り傷と同じく湿潤療法を用います。出血が多い場合は、傷口を心臓よりも高く保ち、清潔な布で圧迫して出血を抑えたあとに傷口を洗って、再び湿潤療法をおこないます。
切り傷の治し方については以下の記事でさらに詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
2-3.病院に行く目安
擦り傷や切り傷ができたとき、病院での処置が必要な場合もあります。どのような場合に病院に行く必要になるのか、それぞれ解説していきます。
2-3-1.擦り傷で病院に行く目安
擦り傷ができたときは、以下の場合に病院へ行くようにしましょう。
- 擦り傷の傷口が深いとき
- 傷口に異物混入や感染症の疑いがあるとき
- 擦り傷だけでなく合併症の可能性があるとき
- 擦り傷がなかなか完治しないとき
擦り傷で病院に行く目安は、以下の記事でさらに詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
2-3-2.切り傷で病院に行く目安
切り傷ができたとき、以下のような場合は病院を受診してください。
- 血が止まらない場合
- 傷口が深い場合
- 傷が深く肉が見えている場合
- 洗い流しても異物が残っている場合
- 傷が化膿した場合
- 時間が経っても傷が治らない場合
- 血液をサラサラにする薬を服用している場合
なお、切り傷ができたときは皮膚科や外科、整形外科、形成外科のある病院を受診するのがおすすめです。
切り傷ができる原因として多いのが、包丁によるものです。包丁で指を切ったときの対応については、以下の記事を参考にしてください。
2-4.治療法
擦り傷と切り傷の治療法には、大きな違いはありません。
傷が深い場合は縫合が必要であり、感染リスクを低減するためにも、怪我をしたらできるだけ早く6時間以内には医療機関での処置を受けるようにしてください。
傷口の縫合は、感染予防だけでなく傷の治癒を効果的に促進します。特に指やその他の精密な作業が求められる部位の傷は、専門医の診断が必要になることが多く、一般的には整形外科を紹介されることが多いです。縫合された傷は、通常1〜2週間後に抜糸されます。
2-5.治療後の注意点
治療後は、病院で指示された通りにガーゼを定期的に交換し、傷口を清潔に保つことが大切です。また、かさぶたは自然に剥がれ落ちるのを待ち、無理に剥がさないようにしてください。
縫合や医療用のホチキスを使用した場合は、5日から14日で病院での再診が必要です。この期間、傷口が開かないよう慎重に行動しましょう。
2-6.治るまでの期間
浅い擦り傷や切り傷の場合は数日で治癒が始まり、通常は1週間程度でほとんどの傷が治ります。
しかし、深い傷や感染した傷は治癒が遅れることがあり、場合によっては傷跡が残る可能性も。感染を防ぎ適切なケアをすることで、傷跡を最小限に抑えることが可能です。
3.擦り傷・切り傷ともにこんな症状がでたら注意!
擦り傷・切り傷ともに、放置をすることで以下のような症状がでる場合があります。
- 破傷風
- 蜂窩織炎(ほうかしきえん)
それぞれ解説をしていきます。
3-1.破傷風
破傷風は土中に存在する菌によって引き起こされ、重大な健康問題に至ることがあります。傷口から菌が体内に侵入すると、感染後1〜2週間で以下のような症状が現れます。
- 首筋の硬直
- 口のこわばりによる飲食の困難
- 舌のもつれ感
- 全身の筋肉痛と痙攣
- 呼吸困難
特に、錆びた金属や汚染された環境での傷は、破傷風のリスクが高いとされています。
3-2.蜂窩織炎(ほうかしきえん)
蜂窩織炎は、小さな擦り傷や切り傷から細菌が侵入し、皮膚の深いところで炎症を引き起こす病気です。細菌には、ブドウ球菌や連鎖球菌などがあります。特に幼児や高齢者に発症しやすく、以下の症状が見られます。
- 感染した皮膚の赤みと腫れ
- 触れると感じる強い痛み
- 化膿や高熱、悪寒
破傷風や蜂窩織炎の症状について不安を感じる方は、病院で早めに診療を受けるようにしましょう。
4.まとめ
擦り傷と切り傷には、傷のでき方に明確な違いがあります。擦り傷はアスファルトや壁などに擦れた時にできる傷で、切り傷はガラス片や刃物など鋭利なものでできた傷です。
ですが、症状や応急処置・治療法には大きな違いはありません。擦り傷・切り傷ともに、正しい応急処置をしたうえで必要であれば病院を受診し、なるべく傷の治りを早めましょう。
浅草橋西口クリニックMoでは、切り傷や擦り傷に対する診断・処置をおこなっています。急な怪我でお悩みの方は、ぜひ当院までご相談ください。
